グランド・フィナーレ - 阿部和重 -

グランド・フィナーレ

グランド・フィナーレ

 過去の遺産パート1。

 初めての小説だったけれど、興味深く楽しめた。というのも、この単行本に含まれる短編小説があったからだと思う。もしグランド・フィナーレだけだったとしたら、瞬発的なインパクトしか残らないかもしれないな、と思った。

 どこかで「阿部和重小説は世界を描いている」という文句を読んでとても読みたくなった。購入してから近頃の流行か男性作家は場所にこだわり、女性作家は関係にこだわるという話を思い出し、世界を描くということはその場所でのいくつかの物語を重ね、多角的に迫ることで「世界」を表現しているんだろうかと思っていたが、少し違った。うまく言えないけれど、立体的で、読んでいる途中で「構築」という言葉がやけにちらつく(文中には出てこないと思うけど)感じだった。滑稽で悲惨。ニッポニアニッポンも読んでみたくなった。