幸福な食卓

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 過去の遺産パート4

 わたしは瀬尾まいこが好きだ、と改めて思った。家族の体をなしていないようで、完璧な家族である女の子の話。

 最終的に力づくで泣かされてしまうような場面はあるものの、そこから回復への過程の物語のパワーがすごい。擬似的に悲しくなっている自分の目が、実質的に力強く物語を進めていくようになる。あくまでこれも擬似的なんだけど、読んでいると本当に力づけられ勇気づけられ、自分を責めがちな人ならきっと自分を許していけるようになると思う。

 人は誰かに守られているし、自分もきっと誰かを守っている。そういうことが嫌味じゃなく描かれているように思った。不器用なりにも伝えることが大切だということ。「近頃人生寄り道ばっかりで、ムダだな」と思っても、これを読んだら「ムダなんてないな」と思えるような。開き直りではなく、ただ素直になれる本だった。


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 確か映画も見たような。小説のほうが好きだったような。