プレーン・ソング

プレーンソング (中公文庫)

プレーンソング (中公文庫)

 過去の遺産パート16

 一人で住むには広い部屋に、何人かが集まってくる。そしてちんたら生活する。そこにはその人たちでしか出せない色がある。

 気づいたら人が増えていて、自然とそこで生活するようになって、生活すると言うことは「毎日が晴れの日」ではないわけだけど、「毎日が雨の日」ではない。もちろん「毎日が曇りの日」でもない。均衡が保たれているようで、実は微妙に思いやりあっていたり、足りない分を補ってやっていたり、そんな加減を気づけば誰かが(自分が)やっていることが、日常なのかなと思った。完結していないから、誰もが出入りできて発言できて風呂に入り散歩する。夏の海という舞台はぴったりすぎて涙が出そうになった。

 ゴンタという人がでてくる。ゴンタと主人公の会話がこの小説を言葉で語っていた。たとえそれがものすごく大事でなくても、わたしは宝箱にひとかけらくらい入れておきたいと思う。