あめりかむら

あめりかむら

あめりかむら

 日記読み返していたら、まだレビュー書いてないことに気がついた。多いな、こういうこと。

 芥川賞候補になった「あめりかむら」については、途中腑抜けた感じになるものの、その腑抜けた感じがとてもリラックスできてこの人の小説はよいなぁと思った。

 でもわたしは、収録されている「クリ」という物語の方が好きだ。幼い頃の主人公と同じ公園でふらっと犬を連れている女の人と、主人公と近しい年齢だけどあんまり馴染めない女の子たちのことを、三十路を過ぎた主人公が思い出しつつ旅をする話。

 なんだろう。よくわからないけれど強烈な郷愁感。あのときに、もしああしていれば、ということは、日常生活でもよくあることだ。それが人生の決定的な場面であったとしても、他愛のない場面であったとしても。

 そして、どちらであっても人は必ずどこかで落としたものを拾うのだ。運命、と言っていいのかもしれない。

 この人の文章は主語がないからという理由以外でも、なんだか頼りない。でもすごく地に足がついてる感じがする。だから読みたくなる。もっと読みたいと思う。