ポトスライムの舟

ポトスライムの舟

ポトスライムの舟


 第140回芥川賞受賞。初です。内容はAmazonさんから。これは得意じゃなかった。

ある日、世界一周の費用と年間手取り給が同額と気づいたナガセは、その日から執拗なまでの節約を試みるが…。生きること、働くことを問う、著者の新たなる代表作

*ポトスライムの舟
 4人の同級生が出てくる。それぞれ子供がいたりいなかったり。そして主人公の母も登場する。なんということもない日常だ。主人公は世界一周旅行が自分の年収に相当する=自分の1年間という時間は、1年分の収入と同一の価値なのか、そして今自分は微々たる収入を得ながら微々たる消費をしている、ということに意識する。
 なかなか得意とは言い難い小説。だからなんだって言いたくなっちゃう。すみません。当たり前なので。
 ただ、登場人物たちがそっけない文章のわりにやたらと活きていて、このそっけなさから精力を感じるのはなぜだと思った。たぶん主人公が風邪をひいて治ってまた仕事に復帰して、とこれまたごく当たり前のことをきちんと当たり前に表現しているからだろうなと思う。

*十二月の窓辺
 正直イラっとする小説だった。仕事ができない人の愚痴を聞いているような。でもある意味、非効率な人間がどうして非効率なのかはわかる気がする。そしてそういう人たちが持ってる「無責任さ」というのが、実は軽々しいものではないこともよくわかる。うん、でも軽々しくなければ無責任でいていいわけじゃないから、わたしは怒鳴り散らす先輩の気持ちの方がわかっちゃった。ごめんね。