六〇〇〇度の愛

六〇〇〇度の愛

六〇〇〇度の愛


 『冥土めぐり』で第147回芥川賞受賞された鹿島田さん。初です。これは三島由紀夫賞受賞。内容はAmazonさんから。

優しい夫と息子と団地で暮らす何不自由ない生活を捨て、ある日、女は長崎へと旅立った。かつて六〇〇〇度の雲で覆われ、原爆という哀しい記憶の刻まれた街で、女はロシア人の血を引く美しい青年と出会う。アルコール依存の末に自殺した兄への思慕を紛らわすかのように、女は青年との情交に身を任せるが―。生と死の狭間で揺れる女を描き、現代人の孤独に迫った三島賞受賞作。

 なんというか、一方的だ。女のロマンチシズムというか、いや女っぽくないの、すごく。宗教がかっているからか、フランス文学の影響かわからないけれど、とにかく一方的にエロティックなの。エロって一方的だと全然性的な興奮ってないんだな、と思いながら読んだ。

 ドストエフスキー罪と罰をちりばめながら、成就しえない自分の想いを一方的に青年にぶつけているように見える。それはエロじゃなくてエゴだな。うん。

 情緒的な文章であることは確かだが、個人的な好みでいえば、自分に酔っている龍、詠美みたいで苦手。うーん、冥土めぐりは読んでみたいんだけどなぁ。