からくりからくさ

からくりからくさ

からくりからくさ


 りかさんの続きがあったとは。知らずに借りて一気読みしました。内容はAmazonさんから。

祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして―。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。

 細い糸を染め、機を織り、紬にする。その過程は過去から未来へと脈々と続いてきた営みであり、文化であり、誇りである。残念ながらわたしはそういう技量どころか手先の器用さや繊細さを持ち合わせていないので、廃れゆく機織り文化を伝えることはできない。申し訳ない気持ちになる。

 りかさんで少女だった容子が登場する。りかさんも登場する。わたしは本の中での再開が嬉しい。

 多少複雑な家系図ながら、読んでいれば頭になじむ。説明文ではなくて物語になってるのが作者の腕としか言いようがない。心の中でそれぞれがカリカリと刻んできた歴史の疑問にすごいタイミングで答えが出たり紐ついたりする。そのたびに感嘆をあげた。あー上手いってこういうことか、と。

 様々な人々が登場し微妙に絡み合い壮大なスケールに物語が広がるのは圧巻だった。沼地のある森を抜けてでも感じたけれど、このスケールの広がり感というのは知識がなければ出せない。知識だけでは足りない。知識と経験(思い知ること)がなければ到底出せない。草木を慈しみ、大切に毎日を送っている人でなければ、こんな物語は書けないだろう。

 しかし、この人の書く物語の男性陣は独特の薄さを持ってますね。薄さって言うと言葉が悪いか。でもなんかわがままででも遠くって感じがする。ホント、婿養子が良く似合う。というのも変な褒め方ですね。

 あまり内容についてあれこれと言いたくない。こっそりと持って温めておきたい。大切にしたい。忙しい日々ならば忘れがちなこの思いに息吹を吹き込んでくれたこの作品に感謝。