雪と珊瑚と

雪と珊瑚と

雪と珊瑚と


 内容はAmazonさんから。

珊瑚、21歳。生まれたばかりの子ども。明日生きていくのに必要なお金。追い詰められた状況で、一人の女性と出逢い、滋味ある言葉、温かいスープに、生きる力が息を吹きかえしてゆく―。シングルマザー、背水の陣のビルドゥング・ストーリー。

 いろんな人がいる。でも、満点な人なんていない。美味しそうな小説でした。作る工程も書かれているので、つい嫌いなにんじんも食べられるんじゃないかと思ってしまった。

 不公平の下に生まれた優等生のような主人公。嫌いな人は嫌いだろうなぁと思いながら読んだ。金銭が関わることについて、気持ちよく取引できたらどんなにいいだろう。すべてが気持ちよい取引であったなら「バーター」なんて言葉生まれないだろう。まぁ、今回それはおいといて。

 小説から教訓を得ようと思って本を読んでいるわけじゃない。でも、この本で少し気づいたところがある。それはわたしが常々「与えるもの」と「与えられるもの」について思うところだ。わたしの生活にはそういう観念がないからまだ分かってはいないけど、「与えられるもの」にも作法と礼儀があるんだなと知った。そうだよな。そーだよなぁ。自分も相応にやっているつもりだったが、改めて「ボランティア」とか「慈善事業」とか「宗教活動」と言われると「いやん、そんな精神知らんし」と言葉に反応していただけなのだなと思った。

 でも、受けるのは苦手なんですが。慣れてないせいだと思いたい。

 現実味が薄い物語かもしれない。でも、こういうのもあっていいんじゃないですか。「からくりからくさ」の読後感に近い。個人的には「沼地のある森を抜けて」のほうがズドンとくるんですが。

 肉じゃがのところ笑った。確かに都市伝説です。しかし、ある種の魔法がかかってる不思議な日本の定番メニューです。