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 久しぶりに岩井初期作品を見た。短い映画。1994年の作品。

“強迫性緊縛症”という神経症にかかってしまった女性と彼女を助けようと苦悩する夫の姿を描いた異色の恋愛ドラマ

「普通」が存在しないように、普通の愛は存在しないと思っている。どこかしら、誰にも理解されないものを共有できるのが史上最高の愛だと思う。そして愛は名詞であって動詞じゃない。継続しないのが多くの場合だと思う。継続するためには努力なり根性なり偏執的な執念が必要で、日常にそれを置ける人は最高だと思う。

 生活に追われその中で最終的に「全ての所業は愛の作業だった」というのは、例えば若年性アルツハイマーとか、死ぬ病になりましたという映画で、特に日本ではそういうタイプが多いかなと思う。過ぎてしまってから気づきました、そこから頑張りました。それは別に悪くないけど「ふーん」で終わってしまうのだ。

 この映画の一番好きなシーンは、アイスを食べるところだ。あそこで全て反転したが、最高に幸福だった瞬間。神経は見たことがないが、いくら太かろうとピンと張れば細くなる。ぎりぎりまで張り詰めた幸福の瞬間が、私は一番好きだ。

 後半の美しい呪縛はすべて哀しい愛情表現でしかない。けれどそれが退廃的で美しいと思うのでした。