読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ばーなーなーん

ザ・インタビューズ

あなたが好きだと聞いて、初の吉本ばななさん作品「キッチン」を買ってきました。冒頭一日目の話から「あ、この人好きだわ」と感じています。吉本ばななさんについて、改めてご意見を語っていただきたいです。よろしくお願いします!

 インタビューありがとうございます。「あなたが好きだと聞いて」というフレーズは素敵ですね。初恋のようです。あなたの初恋は誰でしたか? 今も元気にしてますか?

 今日は少し頭痛がするのです。なのでいつもより暴走したら申し訳ありません。だいたい暴走してますが、3行に1行ぐらい読めばわかります。

 で、ばななさんですが、いいですよね。うん。

 それだけか! いえ、でも語ることはあまりないのです。ばななさんについては、彼女のエッセイなりWEBサイトなりを見れば分かることです。わたしが言うことなど、なにもないのです。

 というわけで、ばななさんに関係する話をいくつか。まず、作家というものに興味を持ったはじめての人でした。それまでそれなりに本を読んできたつもりでいましたが、作家自身に本気で興味を持ったのは彼女がはじめてです。初恋、ですね。そういえば、このタイトルの小説も書いてるわ、かわいい表紙ですよ。

 ともかく作家という人間がいる、今、この同じ時間に、というのを意識したはじめての作家です。わたしにとってそれは「本の世界」へのはじめての扉だったのかもしれません。彼女を知らなければ、作家を知るということをしなかったかもしれません。時系列を追って作品を知ることをしなかったかもしれません。

 わたしはTPOをわきまえる人は好きですが、場所によって言うことが違う人は嫌いです。正直でいられないなら黙ってろと思います。失礼な人間ですね。ええ、承知しております。申し訳ありません。しかし、相手によって言うことが違う人の作り出す物語など、心に置いておけますか。わたしはできません。死んじゃった人なら仕方ないけど。コナン・ドイルさん矛盾があるんですが!!

 それましたね。もう定番です。いつものことです。

 そういうわけで、わたしは彼女のそんな正直なところも、知名度ゆえのバッシングに真っ向対抗するところも、素直にわんわん泣くところも、全部好きなんです。ツイッターで律儀に返事してくれたんです。めったにツイッター見ないんですけど。はは。人間はけっこう適当な生き物みたいですよ。

 さてと。

 作家という生き物は、人間の見本みたいなものだろうと思っていた時期がありました。そうじゃないと知った。好きな人が好きなものは、好きになりたいと思った。ムリだと知った。結果を出さなければ過程はないものと思っていた。まごついたままを結果としてもいいんだと知った。わたしは彼女からたくさんのものをもらいました。もらいっぱなしです。

 わたしはあんまり他人に興味はないのです。むしろ、自分が好きなものにしか愛情を注げないのです。ばななさんは違うようだ。全然違うようだ。わたしにとって彼女の描き出す物語は時に滋養であり、慈悲であり、許しであったりします。こういうことができる人には、なんの躊躇もなく尊敬します。だって世界中にばらまいてるんだよ、この物語を。例え人間が滅びても、書物は残って欲しいと切に願います。

 わたしは文章のプロではありません。だからこそ、適当なことが言えます。彼女の小説を模写したとき、ああこりゃムリだと思いました。この言葉の後に、この言葉が出てこない。まるでわたしにはない感性。届くことのない手。でもこの物語から伸びてくる手は、わたしをとらえて離さない。学校で教えてくれる「正しい日本語」なんてどうでもいいや、届かなきゃ意味ないわ、と思いました。この文章が果たして、あなたの元に届くかどうか分かりませんが。だいたい、常々、そう思っています。その割に無責任です、すみませんすみません。

 先日12年前に書いた小説を書きなおしました。まだ荒い部分があるので手直しする予定ですが、連れにちょっと読んでもらいました。個人的には「おお、ちょっと『ばなな』ちっくじゃね?」と思ったんですが、程遠かったようです。もっとこう、お前のは濃い、濃すぎると言われました。褒めてるの、けなしてるの。どっちでもないんでしょうが。

 どのみち、届かない手なのです。でもわたしの手は宙をさまようことはありません。一点にのみ伸ばしているだけだから。

 後半はかなりどうでもいいっすね。自己満足です。はい、いつだって自己満足です。もし、あなたにとってばななさんとの出会いが素敵なものであったのなら、とても嬉しい。一人のばななファンとしてとてもとても嬉しいです。ありがとうございます。どなたかわかりませんが、ひっそりと今日もどこかで「ばななさんが届けたプレゼント」が紐解かれたことを、勝手に嬉しく思います。

 長文を最後まで読んでくれてありがとう。そして、かわいい冒頭の一文をありがとう。

http://theinterviews.jp/cimacox/5093477