見ているだけで、物語がかき消される

 ご無沙汰しておりました。いろいろしていました。都会に行ってみたり、実家に帰ってみたり。おはようございます。

 好きな風景に自然を挙げる人もいますが、私は自然が多いところで育ったせいかあまりトキメキません。波打ち際にロマンも感じず、夕暮れは仕事の終わり、メジロは害鳥。でも実家好きですよ。住み慣れてるからね。

 というわけで、ビッグストラクチャーが好きです。瀬戸大橋の付け根見たことありますか。びっくりするほど何もないです。にょきっと人が作った石の塊が伸びてるだけです。でも感動します。これ人間が作ったんだ、すっげーって。私は建築に関しても素人なので、なにがどうすごいとか細かいことは分からないけれど、自分より大きなものを作るだけですごいなあと思う。

 東京が嫌いだった。仕事で何度か行ったことはあったけれど、仕事なんだから遊ぶ余裕もなくって、でも大きなビルとか首都高速とかすごいなあとは思ったけれど、やはり仕事だから見る目が違う。

 今回は美術館とか本屋とかふらふらと東京散歩の如くさまよって、なんだ思ったよりいいところじゃん、と思った。特にこの美術館。いるだけで楽しくて、ムダに歩いて疲れてオレンジジュースを飲んで夕焼けを見た。これを人が作ったのかと思うと、なんにも考えられなかった。単なる肉体疲労に酸味が美味しいな、沁みるなと思っただけ。

 古代ギリシャの数学は素晴らしいけれど、0の概念を生めなかった。0を定義したのはインドだ。優劣を付けることはできないが、私は0が生まれたおかげで0と1の美しい世界ができたと思っている。「文字はすべて記号なのだ」と言い切ってしまったとしても、その記号の中にどれだけのロマンが詰まっているか考えたら、それは侮辱ではなく賞賛ではないかと思う。小説なんて文字の塊。伝達できればいいんだよ、ではなくて、より正確に伝えたいんだよの塊ではなかろうか。だから私は本来計算機であるコンピュータの世界も好きだし、同じぐらい小説も好きなのだと思う。

 建築設計とか絵画はセンスがないので諦めてますが。作って楽しむものと、見て楽しむものがあるんだよ!

 本来ならこういう経験は20代にしておくほうがいいのかもしれないが、スロースターターで成長が遅い私なので、今更ばっかり。だけど、あまり後悔していないな。でたらめかもしれないけど。