生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家4年目~

血も涙も汗もナトリウムを含んでいるのに

 おはようございます。塩鯖、ここをしっかり読んでいた事実( ゚д゚)<マジデ?

 私のホットケーキミックス珍道中を読まれていたと知って、多少恥ずかしいです。といっても、母も読むこのサイト。恥ずかしいというより、照れ臭いという感じかな。そんな母上、褒めちぎらなくても上の娘はあんまり料理上手じゃないよう(*´艸`*)

 塩鯖の去年の入院は、聞いたこともない強い薬ばかり投薬していたので、ひっそりと腎臓の数値が悪くなっていた。でも、3か月かけて弱った腎臓はすぐによくならず、薬剤師さんも「ゆっくりしか回復しないものだから」と言っていた。とはいえ、腎臓を壊すと日常生活がとても苦しいわけで、できれば壊したくないわけで。

 という心境で今回も入院していたのだが、お食事が腎臓食になってから劇的に改善した。腎臓食だからより不味いのではと思ったけれど、そうでもないらしい。むしろ、キノコ、ブロッコリー地獄だった前回のほうがよほど辛かったと。

 そこで塩鯖思いの私は腎臓食の本を借りてきたのだが、よくよく見ずにチョイスしたためたんぱく質を調整した主食を使っているものもが多いレシピだった。そりゃそうだな、と思う。正確には透析をしている人たち向けの食事が「腎臓食」であって、腎臓の数値がちょっと悪い人向けのものではない。

 そもそも、腎臓食とはどんなものか。本には「腎臓に負担をかけない食事」と書いてある。具体的には低たんぱく、高エネルギー、減塩が基本なのだそうだ。もっとも注意するべき食材は炭水化物のたんぱく質で、ここが資金豊かに調整できるのであれば、あとは減塩すればいけちゃうみたい。でも、たんぱく質を抜いた主食は高いので日々のご飯となるとけっこう厳しいだろうと思う。けれど「良質なたんぱく質を然るべき量取るべし」なので適量の肉・魚・大豆製品は取るべし。減らし過ぎてカロリーが不足した場合は、油分で補足するべし。カリウムの摂取を控えるために生野菜は水にさらし、その他の野菜は茹でこぼすべし、ただしやり過ぎるとたいていの栄養も茹でこぼされるのでほどほどに。

 ここ数日の私の粉もの珍道中をご覧になった方は「こいつそんな繊細なことできねーだろう」とお思いだろう。ああ、できないさ。でもそんな私でもできることが1つある。

だし生活、はじめました。

だし生活、はじめました。

 だし生活である。というのも、私は貧乏舌ここに極まれりぐらい、塩辛ければたいてい美味しい安上がりさんだ。ひとり飯などは遠慮なく炭水化物+多めの塩分+少しのたんぱく質(卵1個)でOKなのだ。だがこんな生活を20年ちかく続けると、必然的に普段の飯も塩辛くなってくる。時々塩鯖が塩辛くて食えない事態も発生していた。

 というわけで、まずは減塩からやろうじゃないかと一念発起、そういえばだしの本があったなあと思い出して借りていたのだった。

 まずひとつ大事なこと。この本は、レシピではありません。辛口に言い切ってしまえば「だしについて最近の情報ブログ系ライターが勢いよく書いただけ」の本である。昆布の種類とか、昆布の流通とかも書いているが、なにせ東日本特化。とてもローカルで使える情報が少ない(なのに文章量が多いというところが、最近の情報系ブログっぽい)。

 ちなみに、昆布の90%が生産されている北海道ではあまり食されておらず、ほとんどが関西に流通しているそうだ。それは昔の食文化に由来する。ということは、タモリさんが言っていた。うどん県もみかん県もかつお・昆布だしを使わないこともないが、いりこが使われることが多い。けれども、うどん県のだしは西に行くほどいりこが強く、東(高松もそうだ)はあんまりいりこが香らない。だから私は西のうどんの方が好きなのだけど、西はぶっちゃけ麺がいただけないところも多いので、中讃のうどんが一番好きなのである。

図子 煮干いりこ中羽伊吹島近海産 300g*2個

図子 煮干いりこ中羽伊吹島近海産 300g*2個

 伊吹島のいりこはとてもでかく、味も濃い。

https://tabelog.com/kagawa/A3703/A370302/37000128/

 中讃である善通寺の宮川製麺所はうどんのかけだしにいりこがどーんと入っている。大いに話がズレている。あ、でももう一ついわせて。最近増えてきた「ひやかけ」は、いりこを感じやすいのでお勧め。かけうどんが美味い店(ぶっかけが売りの店は微妙なところが多い)のひやかけを食って食って。

 と、ここまでこき下ろしたこの本だが、決して悪い本ではない。だし生活に興味がある人にとっては、ますます興味がわくだろう。だし生活は手軽にでき、かつ味覚も鋭敏になるので減塩効果は望めそうだな、ということはよくわかった。では具体的にだし生活をと思った時は、別の本でノウハウを学べばよい。

 この本で、これはとても参考になったと思うところが一か所。千歳空港は昆布天国だ、ということ。ますます北海道に行きたくなる。
(だしの実験をしてこの本はいい本だと心底思いました)
cimacox.hatenablog.com


 ちなみに、茅乃舎さんのだしは私も使ったことがある。確かにとても美味しいのだが、あれ自体に塩分が入っている。だから一発で美味いのだ。だしだけでは決してお吸い物にはならない、というのは、塩分生活している私の味覚だからだろうか。

 とりあえず今日はスーパーに行って、昆布をみてこよう。私もこの筆者と同じく、なべ料理のときおまじない程度に入れていただけだったんだ。

 タイトルはね、いろんな思いがこもっているんだよ。日本人は世界的に見ても塩分摂取量が多いらしい。1日6gが推奨されているけれど、世界水準では5g未満だそうだ。きっと日本人の血も涙も汗も他国より濃いのだと思う。人知れず泣く国民、人知れず汗を流す国民であるからだろう、なんてウソです冗談です。高塩分生活の私は、涙も汗もあまり出ないのだけど。私が摂取した塩分、どこに行ってるんだろう。