生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家4年目~

いよいよ4月が迫ってきた

 おはようございます。塩鯖は大型免許を取りに行っています。仮免無事合格です。

 さて。

 島に移住するのが4月の頭なので、もういよいよ近づいてきたんだなあと思います。荷造りも、塩鯖が着実にやってくれてるから安心です。塩鯖は一家に一台あった方がいい便利な生き物です。

 それはさておき、島暮らしでみかんを作ると伝えると、十中八九「みかんをネット販売しないの?」「ビジネスを立ち上げないの?」と言われます。これが私、分かるようで分からないんですよね。だから自分なりに言葉にしてみる。

 ビジネスという単語の持ってる意味がどんどん変わってきているなあと思う。生きるためにはお金がいる。貨幣経済である以上、お金から逃げることはできないと思う。それが個人的なお小遣い帳のレベルなのか家計簿のレベルなのか、それとも確定申告しなきゃいけない個人経営のレベルなのかは人それぞれだけど、とにかくお金はいるわけだ。

 そういう意味で「お金の話」を大きく見て、どんなレベル感であっても「経済」として考える必要に迫られているのが、ここ数年の流れだろうなあと思う。っていうか、もっとざっくり言うと「関係ないと思ってる人たちもしっかり貨幣経済に組み込まれて生産と消費を繰り返しているのだから、今ここを改めて見直してみないか?」と言われてる感じ。

 そんな中で、20年近く会社員をしてきた私は、自分が生産する側にいたことにあまり実感が持てていなくて、いざ島で暮らすぞ、主な収入源はみかんだぞ、という今になって「あわわわ」と思っている。が、思いつつも、みかんで生計を立てている先輩方がたくさんいる地域に仲間入りさせてもらうわけだから、やっぱりそれほど危機感を感じていない部分もあって、ヤバいなあと思っている。

 でもそれじゃダメなんだよね、先代たちが作ってくれた道を尊重しつつも、別の新たな道を作らないと、たぶんこれからの時代は生きていけないから。

 そういうことを踏まえた意味で「ビジネスを立ち上げないの?」と聞いてくれる人がいるんだと思う。ありがたい。でもやっぱり私は今のところみかんでビジネスまでは考えられない。まず、まともに作ることさえできないんだから。まずは一人前になりたいと思う。

 だけどみかんは年に一度しか収穫できない。10年やってやっと10回の経験なのよね。だからさ一人前なんていつのことやら。みかんづくり45年の両親だって毎年が勉強だそうだから。

 っていうか、全体的に「はい、マスターしました。あなたはプロです」なんてものはなくなってきてるよね。今年私はオートマ限定免許からマニュアル車に乗れるよう限定解除したけど、免許が取れたからって「マニュアル車のマスターです」になるわけじゃない。乗ってもいい資格をもらうだけなんだよ。それ以降、どれだけ練習するか、どれだけ触れるかで上手か下手かの違いが出てくる。ただそれだけのことなんだ。

 って考えると、じゃあみかん作りながらも、自分が楽しくて、なおかつ人にも喜んでもらえることをやっていくのが最良なのかなと思う。いきなり二足のわらじはきついと思うけど、絶対にやれるぜ!! って自信がつくまで待てない年齢になったよなあと思う。

 だけどな、塩鯖には「まず農業を始めてからだ」と言われそうな気がする。確かにそう。そしてまだ何も始まっていない3月の終わりにうだうだ考えても仕方ないのかもしれない。だけども私は、なんかちょっと焦っている。

断絶と未来

 おはようございます。香川県もついに新型コロナウイルスの感染者が出ました。が、検査してないだけで本当はもっとたくさんいるんじゃないかというのが私の周りの見解です。私もそう思います。

 先行きが見えない恐怖や不安は、誰もが持っています。だけどほら、今日はこんなにいい天気で空も綺麗。ことさら、恐怖や不安にフォーカスしなくてもいいんじゃないかと思います。

 なんかねえ、今朝ニュースを見ていて思ったんだよね。あらゆる「無」がコロナウイルスを拡散させてるんじゃないかって。無意識、無自覚、無責任。無知識、無理解、無関心。

 自分は大丈夫、自分には関係ない、自分は罹患したっていい、それはとても無責任なんだよね。自分は良いよ、私だってそう。40代の丈夫な女性、きっと感染しても盛大にしんどい思いをして治るだろうなと思う。だけど私が感染するということは、体の弱い人をさらに危険にさらす可能性が増えるということ。だから気をつけようと思ったんです。

 もともと不要不急の外出をしないタイプなので、日常生活はあまり変わりがないけれど、だからって現状が変わっていないわけではなくて、現状はもう悪化の一途をたどっていると想定して動いた方がいい。多少の備蓄はあったほうがいい(引っ越し前だから増やしたくはないが、引っ越し先はスーパーもコンビニもないところだから、消耗品を備蓄しておいたっていいだろう。幸い引っ越しトラックもでかい)。

 次々に国の出入りが規制されていってる。日本は地続きじゃないからあんまりピンとこないかもしれないけど、鎖国してた頃のような状況に戻りつつあるんじゃないかなって思う。もちろん、鎖国していたころと社会の仕組みは違うわけだから、タイムスリップしたみたいに戻るわけじゃないけど、当たり前だと思っていた選択肢が、選べないことだってあるってことだ。

 でも代わりに、インターネットを使ってオンラインで人が集まるとか、ライブを放送するとか、いやもっとできることが増えるのかもしれないね。一歩一歩着実に進歩してくれていた技術のおかげで、鎖国してた頃の日本ではない日本がここにあるってすごく思う。

 私は田舎至上主義でも昔はよかった主義でもないけれど、自分が生きるために必要なものは、自分でどうにかできるようになっておいた方がいいと思っている。って言うと「田んぼや畑を持っていない人はどうしたらいいんだよ!」っていう人が出てくる(らしいけど、私のような小さな規模だとまず聞かないわ)そうだけど、ないならないで、貨幣経済なのだから貨幣を用意すればいい。もちろん、田んぼや畑を持ってたって貨幣が必要だからちゃんと換金してるもんね。なにも、物々交換だけが残された道じゃない。そもそも、今これだけ経済が揺らいでいるのを見ていたら、崩壊(今までとは違ってくる)可能性だって全然あるわけ。その時、例え田畑を持っていようと貨幣経済の中にいる私たちは平等にショックを受けるんだよ。

 そういうわけで、平等っちゃ平等なんだよ。不安も怖さも、分からなさも平等にみんな抱えてるんだよね。だからこそ、一人ひとりがしっかりしようぜって言いたい。人を攻撃したり迫害したりすることで安心するのをやめようぜって言いたい。

あん

あん

  • 発売日: 2016/03/16
  • メディア: Prime Video

 いつぞや見ていたこの映画。瀬戸芸でハンセン病患者の島に行って思ったことは、この島は整っていて美しい、だけど人の気配がしない。気配を殺して生きてきた人たち、気配を殺さざるを得なかった理由は、私たちにあるんだってこと。

 私たちは何から逃げてきたんだろうね。私たちは彼らに何を押し付けて安心しようとしていたんだろうね。未知の病気? 原因不明の痛み? いや、私は新型コロナウイルスから改めて学んだのは「迫害されること」だと思った。

 病気のことが分からないから、怖いから隔離する。以前はそれも仕方なかったのかもしれない。だけど今は違う。もう、こんな悲しい過去を繰り返さなくてもいい。

 2020年、21世紀になって20年も経ったんだ。同じ轍を踏まぬよう(先人が失敗した同じ失敗を繰り返さぬよう)、私たちはやれるんじゃないかな。

香川にいるからやっておきたかったこと

 まるで遺言のようなタイトルだ。おはようございます。

 昨日は古くからのブログ友人 id:t_kato さんとお会いしていた。ひたすら肉を食う会である。というのも、ゴールドタワーのリニューアルオープンが延期されていたから。いや、前日までは16日オープンになってたんだよ、、、誰も見てないと思って適当に延期しやがって!!

goldtower.co.jp

 香川県コロナウイルス感染者が出ていないと報道されている。じゃあ何を自粛するのか。まったく意味が分からない。ついでに、ゲーム1時間条例も非常に納得できない(まぁ、オレは関係ないけどさ)。

 というわけで、ゴールドタワーに集合したものの速攻で林ホルモンに行く運びとなった。ちなみに、ゴールドタワーで待っている間、来たものの行き場をなくしたサラリーマンとかけっこう見た(関係者かもしれない)。

 林ホルモンは何度か登場したホルモン屋で、とにかく肉が多い。潔いほど肉メニュー。肉を食いに行くところだ。15時に来店したので客はほぼいなかったが、けっこうな繁盛店だと思われる。オンタイムなら予約したほうがいい。

 そこでひたすらに肉を食い、聞いて見たかったことを聞きまくる。おばさんは図々しい生き物ですゆえ。今回は塩鯖も一緒に行ったのだけど、塩鯖は普段の20倍ぐらいしゃべっていた。そもそもがシャイで警戒心の強い豆柴のような男なのだ。

 カトウさんは思った通りの人で、とてもまじめで丁寧な人だった。同じ時代を生きる同年代は安心する。それは時代の常識が通用するなにかを持っているからかもしれない。いや、それ以上に彼のブログをほぼ欠かさず読んでいるからかもしれない。どちらかは分からないけれど、とにかく安心してのんびりしてきた。

 肉が終わってカフェにでも行こうかとなったのだけど、さすがは中讃地区、夜に空いてるカフェなどほぼない。あるのかもしれないけど知らない。だからかまどに行ってカフェが締まっていることを確認し(桜かまどは買ってきた。数あるシーズンかまどの中で一番好き)、久しぶりにファミレスへ。コロナウイルスのおかげで人がとても少ない。そして注文がタブレットになっている。近未来ここにあり(カラオケ屋が一番早かったのかな)。

***

 ブログで日常を垣間見ている人と出会うのはとっても不思議な気持ちだった。この人から見た世界をたくさん読んで知っているつもりになっていたけど、実際にその視点の人が目の前にいるというのはとても不思議で、なんというかなあ、現実ってとっても多面的なんだと思った。いや、現実なんて一枚っぺらかもしれない。それが見る人の数によって幾重にもなるのかもしれない。実際のところはどっちでもいいんだけど、平面が立体になった瞬間だった。

 私も塩鯖もあんまりアクティブな方ではないけれど、香川にいる間にこれだけはやっておきたいことのNo1が彼に会うことだった。会えて本当に良かった。

 革製品のプレゼントをいただいてしまった。ブックカバーとコードをまとめる洒落たバンドとペットボトルホルダー。いちいち洒落ていて、そして気が利いている。これはもう売り物レベル(大事に使わせてもらいます。ペットボトルホルダーは蜜柑山でも使える優れものだ!)。ビニール袋でみかんを渡した私が恥ずかしい(気にしないけど)。

 世のカトウファンよ、ぜひ会いに行け。