
- 作者: 吉本ばなな
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1992/03
- メディア: 文庫
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たぶん一番最初のばなな。いつもは夏に読み返すのだけど。
最初に読んだころ、とにかくつぐみにぞっこんだった。次に読んだとき、つぐみの姉ちゃんに涙した。ずっと後の今になって、まりあの母さんと父さんの歴史に切なくなる。
つぐみはつぐみなりの人生のなかで、まりあのおとうさんをぼんぼんだという。まりあのお父さんはお父さんなりの人生のなかで、せんべいを持って帰ったりする。どちらが重いとか、そんなのは関係なくて、ただ全員がいとおしい。穴に落ちてた少年さえも。
ニューシネマパラダイスっていう映画、月並みに大好きなんだけど、どこが好きかって主人公の成長とともに町が廃れて人々が歳を取っていくところ。木が芽を吹き、果物を育て、はじけるほどみずみずしい時間を経て、熟して腐る。そういうところが大好き。
一人の作家さんの言葉をずっと追っていくような本の読み方ができるようになったのは、ばななに出会ったからです。