アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン),浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/03/01
- メディア: 文庫
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翻訳モノは苦手と言ってましたが、訳がよいのでしょうね。3時間ほどで読めてしまいました。そして面白かった。面白かったが、辛かった。
人間は人間で残酷なところがあるけれど、人間であるがゆえに「残酷さ」に鈍感であったりする。それがレプリカント(アンドロイド)で表現されると、もう「人間であること」と「レプリカントであること」が混同してしまって、残酷さが突き刺さる。
レプリカントの残酷さは目を背けたくなるものだけど、同じことを人間もやるんだ。やってるんだ。
結局最初から最後まで、人間とレプリカントの違いってなに? に尽きるんだけど、それだけでは言い表せないものがあるんだけど、上手く言葉に出来ない。悔しい。
これはSF小説に分類されるそうだけど、完全にアメリカ純文学だと思うですよ。アーヴィングとかとかわらんですよ。突きつけているものの出し方が違うだけ。
しかしわたしは、ブレードランナーの方が分かりやすくて好きですね。うむ。多分男の子は大好きだろうなぁ、こういうの。