西の魔女が死んだ
- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/08/01
- メディア: 文庫
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つい一気読み。ステキなものをもらった気持ち。
*西の魔女が死んだ
繊細な子、まいが主人公のおばあちゃんとの物語。この小さな魔法をなんと呼べばいいんだろう。本当の魔法とはなんだろう。
一応タロットを習っているので(中断しとるが)、魔女ってどんなものであったかわかっているつもり。それでも、心の在りようまで説いてくれない。なぜならそれは、自らが習得するものだからだ。まいのおばあちゃんは夜空に瞬く星々のような道筋を、正しいタイミングでまいに教える。
いろんな人がいるんだということは、今なら当たり前に思う。しかし13歳だったらどうだろう。「いろんな人」に振り回されて貝のような思春期を送った自分としては、こんなステキなおばあちゃんがいてくれたらよかったのに、と自分勝手ながら思った。彼女のおばあちゃんはそれぐらいステキな人だ。
「おばあちゃん、大好き」
「アイ・ノウ」
十分すぎる。
銀龍草という花を、わたしは知らなかった。今は便利な時代だ。検索したらすぐに見られる。美しい花。ぜひ肉眼で見てみたい。
*渡りの一日
こちらにもまいちゃんは登場する。まいちゃんと友達のショウコのある一日。なんとも可愛らしく微笑ましい。まいちゃんはしっかり魔女になってる。
206ページ。この一言は教訓になるね。
誤解は人生を彩る。
その通り!! とわたしは思う。いろんな人がいる。だからいろんな考えがある。きっとまだまだ見たことのないタイプの人に出会って、考え方がころっと変わるかもしれない。それはそれで楽しいことだな。
と、思えるようになる魔法が、この短編にはありました。好きだなぁ。