人生、ここにあり!
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1980年代ミラノ近隣における脱施設化(Deinstitutionalisation)、バザリア法施行の時期の人々のつながりを描いた2008年公開のイタリアの映画である。
劇中で労組のリーダーに向かって投げつけられる言葉。「あなたは思い通りにいかないと気がすまないのよ」というのはなかなか刺さった。すべて良かれと思ってやったことで、実際に成功を収めて皆がそれなりに幸せであるときに投げかけられたのだ。
認められて、労働に見合ったお金も手に入れて、欲望も怒りも生まれて、社会との摩擦はあれど乗り切れていて、それならば成功か? と問われている気がした。
政治的な考え方のそれぞれのメリットやデメリットは詳しくないけれど、果てしなく「皆が平等に幸福であること」は難しいことだ。知る権利があるからといって、知らされるのと自ら覚悟して聞くのとは違うもの。違うかなあ。
現実がどれだけ自分にとって残酷であっても、知らないよりは知るほうがいいなと思う私は愚鈍なのかもしれない。繊細さに欠けると言い換えてもいい。それでも今の自分を選ぶだろうな、と思った。