生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家4年目~

豊島美術館(再訪)

 こんにちは。今日は体調がすぐれないのでカレーを大量に作っています。楽をする作戦です。

 昨日ふと思い立って豊島美術館に行きました。塩鯖も一緒に。前回訪れたのは3年前の瀬戸内国際芸術祭。今年の初めに塩鯖を連れていきたいなあと思っていたので、念願叶ったというわけです。

cimacox.hatenablog.com

 前回はどのようにしていったのかも覚えていなかったけれど、まぁ港に行けば船に乗れるだろう、自転車最高だったからポルポル(クロスカブ)で走っても最高だろう。そんな浅はかで無計画な状態で、ポルポル二人乗りして港に行きました。そこで知った、豊島直行は高速艇しかないってことを。車両を載せられるのは小豆島を経由する便のみです。ご注意ください。

 で、二人で高速艇に乗り込み豊島へ。もちろん、ポルポルに乗っていく予定だったからレンタルサイクルの予約もなし。見事に前代貸し出し中でした。ま、その日の朝に思い立ったんだから仕方ないよね。ということでシャトルバスに乗って豊島美術館に行きました。シャトルバスはまぁまぁ人がいたほうかな。

 バスを降りたらこの景色です。やっぱり気持ちがいいところだな。

 美術館自体は予約なしでもサラッと入れました。瀬戸芸開催中は間違いなく予約必須でしょう。チケットを買って美術館へGO。

 美術館と言っても順路すべてが美術館みたいなものだから、道中も楽しみます。気持ちがいい小高い丘をぐるっと歩いて到着です。

setouchi-artfest.jp

 写真撮影は不可なので作品紹介のリンクだけ。春の豊島美術館はとても気持ちが良かったです。シャトルバスで来たので帰りのバスまでは時間があるし、私はのんびりと火の光や風や水の音を楽しみました。塩鯖もいろいろ楽しんでいたようです。

 美術館に入ってすぐ、太陽を見上げたらハロが出ていたので慌てて外に出て写真を撮ったよ、の写真です。綺麗にハロってるでしょ。とっても不思議で祝福されているかのような嬉しさがありました。気象条件がそろえば見れるものだろうけど、このタイミングでなのか、嬉しいなあって。

 この場所ではみんな静かに、それぞれが気持ちよく存在しています。立っている人、歩いている人、寝転んでいる人、寄り添っている人。私が行った日も海外の方が多かったと思うけど、言葉が通じない人だということを忘れるぐらい自然にみんながその場所にいて、気持ちよく過ごしていました。私はゴロゴロしながら「みんなきっと同じような気持ちだろうな。この空間が広がったら戦争はなくなるだろうな」と思っていました。別に日頃そんなことを考えているわけでもないのに。

 この美術館の素晴らしさは言葉では表せないと思っています。だから行くしかない。あの不思議で静かで平和な感覚をぜひ多くの人に味わってもらいたい。そんな場所です。

 で、ノープランの私たちは腹が減っていたのでショップに行き、豊島のいちごドーナツというお菓子を買い、ちょっとだけ腹ごしらえしました。ピクニック気分。いいね、いいねえ、お日様の下で飲み食いするのってなんでこんなに気持ちがいいんだろう。

 バスの時間までは余裕があったけど、のんびりのんびり動いてバス停へ。時間通りに来たバスに乗り港に向かいました。でも帰りのバスは満員でね、乗れないご家族もいたんだよね。そのご家族は「次のに乗るわ」と言ってたようだけど、次の便って一時間以上後なんだよね。これが予定詰込みTHE日本人なら「うわああ、困ったどうしよう。船にも乗れないし!」ってなると思う。私はまだまだTHE予定詰込み型日本人なんだなと思った瞬間でした。

 そもそも日本人と欧米の文化では「休み」の捉え方が全然違うのかもしれない。彼らは数日前後したっていいぐらいの緩いスケジュールなのかもしれない。そして日本はというと、有休をとるにも理由が必要だったり、みんな同時に休みだからあちこちで激混みが発生する。連休後の出勤日に「帰れませんでしたので休みます」なんて言う人はいない。限られた時間だからこそ有意義に使いたいと思い、スケジュールをばっちり組んでしまうのだと思います。それが悪いとは言わない。でも偶然を楽しむ余裕は減ってゆく。

 どっちがいいという話ではないんです。ただ、今回の豊島の旅は完全にノープランだったけどなんとかなったよ、楽しかったよ、たまにはノープランでもいいんじゃない? と思った、という話です。ノープランとはいえ帰りの船だけは絶対守らないと島に置き去りにされるので、ここは難しいところだけどね。

 塩鯖は美術館は展示があるものだと思っていたらしく、豊島美術館を見てちょっと驚いていた様子でした。でも、しみしみとこの美術館を理解していったようで、夜に「あれを作った人はすごいなあと思ったよ」と言っていました。私は寝落ち寸前だったけど「しめしめ」と思っていました。そう思ってもらえると一番嬉しい。なぜなら、私もそう思っているから。

 瀬戸内国際芸術祭の素晴らしさは、作品だけにあるのではないと思っています。旅行と同じで、計画の時点からすでにアートが始まっている。だから多少不便でもいいんだろうなと思います。にしても、飲食と宿が最もハードルが高いミッションというのが辛いところだけどね。

 今年はまだガイドが届かないので、どこに行こうか考えることもできない。けど、期間中最も混雑するのは最初と最後だと思うので、スタートダッシュの春はのんびり物色するために行くんだ、ぐらいの気持ちでいいかなと思っています。