沖縄3日目
今日で最終日。15時前の飛行機に乗るけれど動ける時間は午前中のみ、ということで最終日は首里城に行ってきた。
首里城は再建されたものだけど、実際に行ってみると再建された意味がよくわかる。琉球という文化を知るうえでこの施設は外せないものだったのだろう。台湾でも思ったのだが、私はしみじみアジア人なのだと感じる。この歴史的建造物には当然中国人観光客もたくさんいたが、昔ほどマナーが悪いということもなく、むしろ同じアジア人として共通する文化、違う文化を感じていらっしゃるのだとしたら、国が違うなんて大した違いではないんだねと思う。
こういう景色はラストエンペラーを思い出す。私にとってあの映画は「日本ではない、けれど日本と似たところが多い国の悲しいお話」として記憶に残っている。壮大で素晴らしかったしね。
首里城のなかでは当時のおやつが味わえる。味わいながら当時の王家の暮らしのお話を聞く。やっぱり甘いが美味いだったんだなあ、にしても美味いよなあ。今の私たちは砂糖を使ったお菓子なんてわんさと食っているけど、それでもこの上品な味とさんぴん茶は美味しいなあと思う。
首里城を失った原因は、戦争にある。あの戦争は本当に日本からたくさんのものを奪った。けれど日本人もほかの国からたくさんのものを奪った。奪う、奪われるの争いはもう二度と起こしたくない。私はことさら平和主義者でもなければなんとかニストでもない。けれどやはり戦争はもう起こってほしくないと思っている。
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風雲児たちでは蝦夷への調査のお話がしっかりと書かれている(だから私が最上徳内を知ったのだし、最上さんファンになったのだ)。日本人はアイヌと琉球を侵略し、自国にした。それはアイヌや琉球の人たちが選んだことでもあったが、彼らの文化をどれだけ尊重できていたのだろうかと思うことはある。
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
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最近読んでいたこの本(読み終わってもしつこく読んでいる)や、飛行機のなかで見ていたクライシスというドラマ(小栗旬が出てたやつ)でも、貧富の差について言及されている。簡単な話ではないことは分かる。けれど持たざる者が持つ者から奪うことになれば、それは戦争に他ならない。その選択を行わないためにできることは、やはり多文化への理解と尊重をお互いに持つことと、面倒くさそうな経済とか政治という話について、個々人が自分の意見を持つことだろう。民主主義は愚かだと言わざるを得ないところはあるが、今さら急成長、急進化する必要などないと、私は思うのだ。その代償に自然や文化がことごとく壊され、失われ、取り返しがつかないことになるぐらいならば、ゆっくりでいい、自然と人と文化を大切にしていきたいと、私は思う。昔はよかったと何もせずただ浸るだけのノスタルジアになりたくない。
中国の経済成長が低迷中、というニュースを聞く。しかし正直なところ中国の経済成長はとんでもなくすごかったと思っている。私が子供のころの中国のイメージと、今の中国のイメージは全く違う(昔のジャッキーチェンの映画を見ると分かりやすい。ええ、私はジャッキーファンです)。たかが40年でここまで中国という国は成長したのだ。それは日本の高度経済成長以上のものがあったと思う。これを成しえた理由の一つは人口があるだろう。
次はインドかな、東南アジアかな、それともアフリカかな。
個人的には国がこれ以上開かれてしまったらきっと今の風景は失われてしまうキューバに行きたい。
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ちょっと脱線したけれど、この後は首里そばに行った。塩鯖チョイス。塩鯖の食への貪欲さは感動的だ。しっかり並んで絶品そばにありつく。透明なつゆがとても美しい。ここは民家の一角をお店にしているそう。沖縄の民家はコンクリート造り(だから壊すのも大変だろう)だけど、中はどうなっているのかなと思っていたんだ。見られてうれしい。
そばが固めでしっかり多い。だから少々無理を言って塩鯖に食べてもらった。塩鯖の胃袋はすごいねえ。私はちまちま食いはできるけど、食の多段攻撃には弱い。すまぬ、塩鯖。