生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家4年目~

マルチ被覆を終えて、眠って、そして雨の朝だ

 おはようございます。9月だよ。いやいや、9月かよ。あと1か月もしたら収穫が始まる。一年の短さよ。

 昨日はマルチで畑を覆うお仕事。家族4人で半日かかる。畑をマルチシート(=商品名は「タイベックシート」)という防水シートで覆って、雨の侵入を防いで柑橘の糖度を挙げるという栽培方法。すごく物理的かつ原始的な方法に思えるけど、これがちゃんと効果がある。というのは、父と母がいろいろ試してみた結果だそう(果樹の雑誌にも掲載されている広く普及している方法)。

f:id:cimacox:20210902074754j:plain
f:id:cimacox:20210902074806j:plain

 このマルチ、多くの畑では平地で行われている。段々畑は少数派だ。というのも、段々畑はもともと水がたまりにくい構造だから、水が切れすぎて木が枯れる可能性があるからだ。

 うちの場合、特定のマルチ被覆でメリットが大きい品種にのみ行う。畑の状態や品種、その年の降雨量とも相談しつつ、やるかやらないかの判断を行うのだ。

f:id:cimacox:20210902074817j:plain

 去年もやったこの仕事、昨日はヘトヘトになったのだけど、その理由は「張り替え」を行ったから。本当にかなりしんどかった。

f:id:cimacox:20210902080028j:plain

f:id:cimacox:20210902080041j:plain

 下手くそな絵で申し訳ないが、こういう感じで張り替えるのよね。この時使うロールは大きなもので3m、小さなもので2m。単純に、重い。道具もこれだけではない。パッカーというビニールハウスのビニールを止める資材を使ってマルチを固定するので、これをいくつも持ってなきゃいけないし、鉄柱も使うからサンダーも持っておく必要があるし、まぁなんかいろいろ道具が必要でそれを持ち歩くのも大変なわけだ。

 といっても、今は両親について回っているので、こういう準備もしていただいている状態なのだけど。覚えておかねばなあ(忘れたら鳥に変える手間が増えるだけ)。

 ともかく、こういう仕事を午前中したので、午後からは疲れ果てて寝てしまった。17時にお目覚めしてあっという間の9/1だった。

 今日は暴言も少し吐きつつ、今思ってることを書こうと思う。暴言っていうか、ちょっと乱暴にまとめる取っていう感じなんだけどね。

 自己実現という言葉がメジャーになったのはいつのことだろう。マズローのあのピラミッドが広く知られるようになってからか。もうあんまり覚えていないのだけど、このツイートにある通り確かに「自己実現」という言葉がいろいろややこしくしていると私も感じる。

 具体的には、言葉に踊らされているということ。その言葉というのも、純粋に「自己実現」という言葉ではなく、それに付随するキラキラしたイメージに踊らされているような気がする。

 こういうことに思い当たるたび、人はどれだけバカになったんだろうかと思う。でも、そもそも人はその程度なのかもしれないとも思う。

 言葉とイメージがくっついてると、簡単にそれに惑わされる。広告や写真などの視覚からの情報には特に簡単にイメージを植え付けられる。そういえば、宗教画が多くあるのも布教活動のためだったか。そうか、ということはもともと人はその程度なのだ。

 まぁそれはいいよ。大事なのは、私も漏れなく「そんなキラキラした人になりたい!」と思って、乗ったってことだ。だからけっこうややこしいことになってしまったのだ。

 物理的なものではないモノのイメージほど簡単なものはないと思う。ただ、多くの人にジャストフィットするものを作るのは難しい。そういう意味で、宗教画は素晴らしく良い出来だと言える。そして今の時代、そういうものがあふれている。

 そしてそういうものに引っかかる人の多くが、金と時間が余っている人だ。そう、暇なのだ。暇でちょっと小銭が余っているのだ。大金が余ってる人にはまず響かない。どれぐらいが大金で小銭かは個人の裁量によって違うけど、例えば働かずに暮らせるぐらいの富豪ならひっかからないのだよ、必要がないから。

 そういうビジネスが随分と多いなと思う。それもそうだ、ネットワークビジネス的に広がったのだから。なるほどなと思う。

 すっかりそっちにハマってしまった私だけども、なんとなく流れる嫌悪感をずっと抱えてきていた。それが今、ちょっと解消されたような気がする。だからもし自分が何かをするとしても、少なからず自分の嫌悪感には敏感でいたいと思う。そして、嫌悪感を感じないものを作りたいと思う。そうしないと、きっとどこかで破綻するか、継続が困難になるから。

 人ができることなんてたいしたことかもしれないし、たいしたことないかもしれない。でもそれはやってみないと分からない。だから嫌悪感にまみれたり、怒りに乗っ取られたり、悲しくて仕方なかったり、そういう経験もしつつ、それでも今まで出会えたお客様とのやり取りはすべて素晴らしかった、ありがとう、本当にありがとうという本心も大事に、頑張って行きたいなと思う。