しょっぱいドライブ - 大道珠貴 -

しょっぱいドライブ

しょっぱいドライブ

 過去の遺産パート15


 第128回芥川賞受賞。しょっぱい?

 しょっぱいドライブのほかに2編あるのだが、しょっぱさにもいろいろありますが、それらもまたしょっぱい。

 九十九さんは金のある善良な60代男と無趣味で無気力な30代女の言い表しようのない関係である。彼女はなかなか図太い。狭い港町に、近くの小さな町に、ついには生きているということにさえ絶望してるのかと思わせるような言葉がありながら、溜息をつきながらでも未来のことを考える。家族ぐるみで世話になっている九十九さんと関係を持った後でもほかの男のことを思い出し、その直後に寝たきりになっても世話してあげるよと声に出さずに言う。太さがあると思った。

 だらだら過ごした日曜日、夕方冷え込むようになったなあと思うときみたいな気持ちになった。