
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/09
- メディア: 単行本
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様々な年齢の「食えない女子」が集う女子会。このほわぁんとした毒が潜んだ空想的空間は川上ワールド。
女の人は美しい。太っていようと痩せていようと若かろうと歳を取っていようと、それぞれに美しさがある。そんなことは百も承知、なのだが、これでよろしくて同好会の最中に襲われる「うわぁぁぁぁ、かわいいい!!」という気持ちはなかなか侮れない。なぜなら、食えない女子たちだからだ。
手放しに可愛い可愛いを連発できるほど可愛くない。「あまぁいのよね」「ね」なんて相槌うちあってるおばちゃん二人など、どちらかというと恐怖。気づけば肉ばかり注文してる少し若い女の子は白黒つけたがりに見えるけど葛藤を払拭しようと奮起しているようにも見える。
別にそれでよいのだ。だってただの女子ですもの。浅はかで思いやりに欠けている部分もあって、よその家のことは思うことはできてもどうにかできるものではなくて、また、どうにかされたいわけでもない。
スリリングで退屈なのが毎日なのだ。
この小説は不思議ワールドが好きな人には物足りないかもしれない。というか、わたくしは物足りない節もあった。でもぼーっと読んだらよいのでは?
一番心に残ったのは夫、光との会話のオウム返し。心理学のカルチャースクールで学んだはずなのに「役に立たないな」って、かなり元も子もないですよ。