- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: コミック
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二日かけて一気読み。おもしろい。だがしかし、これはあくまで男の世界であって女が熱狂するものではない。万が一熱狂する女がいるとしたら、子宮捨ててる以外にない。
どっかのレビューでベルセルクに似た、とあったそうだが、そりゃ時代設定だけで中身はバガボンドのほうだよ。ぱくったとか似てるとかじゃなくて、旧約聖書の冒頭と新約聖書の黙示録が人によってはほぼ等しいのと同じこと。人類の命題なんてそんなに数多くない。わたしはひとつのことを追及する人が好きだ。これは、男であればみな持っているのであろう「個の確立のための物語」なんだ。
男って生き物は種まきできてもぷりっと産めない。自分の種だっていうことも、実際のところわからない。個の確立、自己の独立のために必要な洗礼なのだと思う。自分、女なんで理屈は理解できるが発想は持てないが。オイディプスですな。まじめにきちんとやってる物語は、きっとどれだって、絶対におもしろいさ。それはもともとがあるからじゃなくて、もともとある命題に、その作者が全身全霊で挑むから、おもしろいものになるってことさ。
出すたびに違うテーマでつじつまが合わない人の本をたくさん読むより、ずーっといい。絶対。