長期出張の塩鯖
本人はまだ入院中ですが。こんばんは。いろんな滞ってることをする気力が、ようやく戻ってきました。肩こりはいけませんね、生きる気力も奪います。いやはや、肩こりだけが原因じゃないんだけど。
塩鯖の入院に当たり、世界の病院食を調べてみた。といってもグーグル検索で上位に出るところ程度だけど。日本の病院食はおおむね「美味しい」で間違いはないと思う。コストを考えると更に上位に食い込むでしょう。しかし、しかしだ。圧倒的に足りないであろう「食べごたえ」。食べごたえのない食事を2週間以上食べ続けるのはもはや苦行でしかない。
病院食と刑務所メシ、どっちがいいんだろうなあと思いつつ、今日もお見舞いに行ったのでした。退院するまで毎日行く。
塩鯖のことを書くと、塩鯖を褒めるだけになるのでやめておこうと思う。
彼が入院している病院は、彼と同じ病名の人たちがたくさんいる。同じ病名だけど症状が全然違う。もし、彼と同じ症状の人がいたとして、病名と症状が一緒だから彼らのしんどさは同じほどだ、と誰が言えるだろうか。
彼らのしんどさは彼らだけのものだ。同じ病気のもの同士の「あるある」はたくさんあるかもしれないが、彼らの抱えている「重さ」に優劣がないように、彼らの「重さ」に平等もない。
私はずっとずっと昔、「人の痛みが分からない」と言われたことがある。間違いじゃないと思って考えを改めなかった(あとはお察し)。あの頃はまだ子供だったので表現方法が見つからなかったけれど、今は違う言い方ができる。「簡単に分かったふりをしたくない」だけなんだ。だからそう振舞われることには嫌悪か、あるいは軽蔑を覚える。
この病を患って3年の塩鯖。一度たりとも私は彼の痛みを経験したことはない。だけど、誰よりも配慮することはできると思う。今できることは、自由の少ない病室で、時間が流れることだけを待ち続けている彼の日常に、私の登場という変化を与えることだけなんだと思う。
早くおうちに帰ってきてほしいなあ。一人寝だと寝つきが悪くていけません。ベッド広いのにね。
おしまい。