魂にメスはいらない

魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社プラスアルファ文庫)

魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社プラスアルファ文庫)


 寄り道をしながら読んだのでちょっとまとまらないけど、すごくたくさんのことが書かれていて、とてもまとめられるものではないな、というのがまず最初に。でも確実に言えるのは「すごく分かりやすい」ということ。

 ユング心理学とか心理学の専門用語とか、わたしはあんまり知らない。分からなかったらその都度調べて、で、忘れる(苦笑)。この本では心理学用語はたくさん出てくるけれど、河合さんがちゃんと説明してくれる。それも難しくない人間に沿った説明だ。でも当然といえば当然だ。心理学は人間のことなんだから。ユング研究所で勉強しなくても、わたしたちは心理を持っている。言葉にするのが、説明するのが、表現するのが、気づくのが、そういうコツを知らないだけで、心理学は体が知っているんじゃないかと思う。

 わたしは詩がよくわからない。いろいろ日本の詩人も海外の詩人も読んだけれど、いまひとつわからなかった。だから深入りしなかった。

 宮沢賢治のやまなしを詩と言っていいのかさえもわからない。詩の認識なんだけど、たぶんあれは小説なんだよね、一般解釈は。それぐらいわたしは詩に疎いし、感性が足りない。けれど谷川俊太郎さんの詩のいくつかは強烈で、「芝生」を読んだとき、体中から根と芽が生えて、地球と宇宙と繋がった気がした。

 本書では谷川俊太郎河合隼雄にインタビューする形式だけど、谷川さんが「ボクはねー」なんて話しててかわいい。それに対して河合さんも「それはねー」と返しててやっぱりかわいい。

 いつだったか、チベットの曼荼羅を見て、CTスキャンで見た自分の身体みたいだなと思ったことがあった。あの曼荼羅はなんだったんだろう。どんどん形を変えていく曼荼羅だったんだ。なんだかそれが人間の身体に似てるなって、逆に人間の身体って曼荼羅なんじゃないかと思ったことがある。

 これは芝生を読んだときの衝撃と似たところがあって、うまく言葉にできないんだけれど、人間、あるいは世界って実は既にひとつなんじゃないかと思った。どこかが凹むとどこかが凸る、こうやって均衡を保っているんじゃないかと思った。素人考えですから生温かくお願いします。

 ともかくこれはすごく面白くて、折に触れて読みたいから購入決定です。いつになるかわかんないけど。