- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/10
- メディア: 単行本
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内容はamazonさんから。内容短すぎるよ。今日が返却日の滑り込み読み終わり。
なにものかに導かれてやってきた、アフリカ。棚は、すでに動きはじめたこの流れにのるしかない、と覚悟をきめた…。
物語はアフリカ。この本を読んだ直後に思ったのは鳥葬の始まりだった。なんで鳥葬のこと調べたんだか覚えてないのだけど、一時ドキュメンタリーとか必死で見たんです。そこで日本人のライターだか学者さんだかがこう言っていたと思います。相当うろ覚えですから、あてにしないでください。
「鳥は夜飛ばないはずなのに夜中に鳥が飛んでいた。でもそこで鳥葬があったんだから当然のことに思えた」
死は人生の終わりだと思う人も多いと思う。わたしもある意味ではそうだと思う。江藤淳さんのように潔く意識が死んだらわたしが死んだことだというようなことは言えないけれど、ある意味ではそれは正しいと思う。
この物語は生死を問うているのではないと感じた。生命は紡がざるを得ないものなのだと思った。双子の人と鳥。片方がいない双子。一人で完結する人。このキーワードはこの小説の中の小説で語られるものだけど、とてもシンプルで野生の香りがする。アフリカ。ダーウィンの悪夢で見たアフリカが印象に強かったけれど、あれはあれでひとつの事実だとは思うけれど、どちらを取っても生命の強さを感じさせてくれる。この本は勇気が出る一冊だった。
同時に「渡りの足跡」も借りてたんだけど読みきれず。こちらは渡り鳥のエッセイだそうです。読めばよかった。