キンコン西野の本を2冊読んだ
おはようございます。昨日は早々に仕事を片付けて、キンコン西野くんの本を2冊読んだ。
何で読もうと思ったのかというと、これがSNSで流れてきて、読んで感心したから。
で、本を読んでみようと思ったわけだ。
- 作者:西野 亮廣
- 発売日: 2019/05/24
- メディア: 文庫
はっきり言おう、私はこういう自己啓発の本はとても苦手だ。アホだからすぐ感化される。なので塩鯖にも読ませた。塩鯖は魔法のコンパスを20分ぐらいで読んだ(実際それぐらいで読めるぐらい、読み進めるのがすごく楽な本)。で、塩鯖にどう思うか聞いた。
塩鯖は「特筆すべきことはなにもない、何も残らない一冊だった」と言った。
この2冊の本を読みながら、私は「やっぱりどこかキツネにつままれてるような印象」を持っていた。でも書いてあることもさほど間違いでもないし、クラウドファンディングについては資金調達以外に予約販売という側面もあるのも確か。だけど、なんかなあ、どこか「???」がぬぐい切れなかった。だから塩鯖の感想を聞いてとても納得した。
さらに塩鯖はこう付け加えた。「なにを得ようとしてこれを読んだの? 自分に何が足りないと思っているの?」
なかなかえぐってくる奴である。
私は自分が不完全な人間だと思っている。なにか決定的な、この年齢の大人だったら持ち合わせるべきものを持ち合わせていない、幼稚な人間だと思っている。だから何とか知識で補おうとしていた。でもそれは、今までもそうしてきて、あまり効果がなかった手法だ。知ってたけど改めて認識すると、なかなか自分の痛さが辛い。
塩鯖は続けた。「史記とか三国志で、だいたいの人間の業は網羅されていると思うんだよ。だから自己啓発本を何冊も読むより、史記を読みつくす方が得られるものが多い。危機的な状況で他人がどうするのかなんてどっちでもいいことで、どう行動したいかの、理想とする人物像とか行動の指針さえあればいいんだ。情報に、人に踊らされるっていうのは、自分以外に左右されるということ。でも自分以外なんて何もしてくれない。意味がないんだ」
ごもっともすぎて墓穴でも掘りたくもなる。
自分の判断に自信がないからといって、人の思考を覗き見て真似しようとしたって、人も状況も違うんだから真似できない。うまく咀嚼して真似たとしても、今の状況は打破できても次の危機のときに立ち止まる可能性もある。二番煎じは越えられない壁を作るのと同義だ。
じゃあどうしたらいいのさ~~~って思うけど、たぶん史記をむさぼり読むのが一番手っ取り早いだろう。塩鯖は幼少期、いやおそらく幼児期から、お父さんによって儒教の英才教育を受けている。きっと彼のお父さんも理想を生きたかったのだと思うし、ある意味では理想を生き切ったのだと思う。八徳(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌)はなにか、どう大切なのかを、言葉もままならん頃から言い聞かせてたんじゃないかなあ。そう思うと可愛いよね、お父さんも、それを聞いてた塩鯖も。
そう考えると、あらゆる人生の悩みの答えなんてとっくに出ているということになる。里見八犬伝でも三国志でもいいし、儒教や仏教の教えでもいい。そこに答えは書いてある。でも具体的に名前が書いてあるわけでもないので「けっ、そりゃ達観した坊さんのことだろ、オレのことじゃねえし」と答えを拒否したらずっと路頭に迷う。坊さんだって人間だし、儒教の教えを説いた人だって人間だから、同じように煩悩には苦しんだはずなのに、そこに想像力が発揮できない自己中だってことに気づかない限り、出口はないってことだろう。それは今も昔も、二千年前からずっと変わってなかったんだな。すげえな、これに気づけたオレ(そして今まで、言うても人に騙される回数は少なかった自分がラッキーなんだなと思った)。
もう自己啓発すんのやめようかなと思う。知識増やしたところでな、悩みはなくならん。これ結論。白痴から一段階は成長できたから、あとは全部忘れて楽しく生きてみるかな。そしたらなんか、今までは分からなかったことが分かるかもしんない。
でね、結局はどうするかっていうと、購入したメルカリで転売いたします。誰か見かけたら買ってください、一読なので状態は綺麗です。
で、南総里見八犬伝を読もうかな。誰かお勧めがあれば教えてください。いろんなバージョンがあって選び難いよ。
ぽわんと思ったこと
おはようございます。忙しいので手短に。
物事や人って平面じゃないのに、文字って平面的に届くよなあと思う。それは視覚的に、平面に書かれた文字を読むからストレートに受け取ればそうなんだけど、文字を受け取ったのちに内面で立体感を得たり、感情が単独で踊っているような感覚を持ったりすることはある。それは単に自分の内面とリンクしてリアリティをもって感じられたってことなんだろうけど、実際はそうじゃないよなあと思う。
もっと具体的に、物理的に、立体なんだよな。だから百聞は一見に如かずっていうことなんだけど、これってどうやったら伝わるのかな。
注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1-(新装版) (講談社青い鳥文庫)
- 作者:宮沢 賢治
- 発売日: 2008/10/16
- メディア: 新書
私が会社員で移動が多かったころ、スプートニクの恋人を何冊も持っていた。出先でも買うからだ。塩鯖は注文の多い料理店だったよう。リンクのこの本ではない。奇跡的なラインナップで爆笑してしまった。
蜘蛛となめくじと狸、「ツェ」ねずみ、ひのきとひなげし、革トランク、注文の多い料理店、フランドン農学校の豚、オツベルと像、寓話 猫の事務所、カイロ団長、毒蛾、二人の役人、谷、さいかち淵、毒もみのすきな署長さん、である。なかなか気持ちが浮上しない並びだけど、最後だけオチつけてるんだな。
パンデミックとかわぐちかいじ
WHOがやっとパンデミックと認めたとか。おはようございます。遅すぎると世界中が思っている。噂では、パンデミック債っていうのがあって、今年の7月まで? パンデミックが起こらなかったらプラスになるとかならないとか。陰謀論は支持しないけど、あり得るだろうなあと思う。債権を持ってる人が損する得する、ただそれだけで判断が鈍ることなんて、人だからあってもおかしくないもんね。
先日、Amazonプライムでジパングを見終えた。海上自衛隊が第二次世界大戦にタイムスリップしたらというSFだけど、ハリウッド映画のような展開は一つもなく、どちらかというと地味でおっさんしか出てこないアニメだ。コミックは43巻まであるのでアニメは随分端折られているんじゃないかと思う。
端折られていたとしても、十分に面白いアニメだったなあ。
私は海上自衛隊でもないし、大日本帝国の時代も生きていない。だけど愛国心はあって(政治思想は左側だけど、愛国心はあるさね)、日本の武力を持たずして平和を目指す姿勢は支持している。
アニメでは主人公で21世紀からタイムスリップした乗組員の角松と、偶然角松に命を救ってもらった草加の二人が軸になって進む。草加はその時代の人だけど、戦争の行く末やその先の日本を知り、新しい国ジパングを築くために奔走する。角松はというと、目の前の現実と自分たちがいた未来とのはざまで律儀に迷いながらも、できる最大限のことをしようとする。
どっちが正しいという話ではなくて、ただただ単純に私は草加少佐の思想に感動した。
人は変化を嫌う生き物だ。今までと違う選択をしたがらない。それは種の保存、生命維持とも深く関係していて、命はとにかく継続することを願っている。だからどんなにしんどい状況であっても、それを維持しようというメンタルがまず働くのだそうだ。
過去だろうと未来だろうと、昨日歩いていた道とは全然別の道に出てしまうのがタイムスリップもののだいご味だと思う。決意するのか、しないのか。神様なんてきっといないけれど、運命の舵を握っている壮大な存在がいるとしたら、ちっぽけな人間の意思を尊重するだろう。だって操作するメリットなにもないもんね。
私は歴史についての知識がからっきしないけれど、面白かったです。思想家としてもすごいよねえ、かわぐちかいじさんっていう人は。