生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家4年目~

収穫三昧(日誌をつける意味とは)

今日も収穫三昧の1日だった。こんばんは、お疲れ様です。

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今日も南柑20号の収穫。ひたすらに収穫。天気がいいのでめちゃくちゃ暑い。夏の装いと変わらない服装で仕事をしている。

南柑20号はかなり古くからある品種。詳しくはこちらの説明を参考にさせていただく。

1924年以来数度にわたり愛媛県南部において村松春太郎氏(後に愛媛県南予柑橘分場の初 代分場長に就任)が温州みかんの優良系統探索を行っていたところ、1926年に同県宇和島市 の今城辰男氏の園地で発見された系統を優秀であるとして、これを南予柑橘分場にちなみ「南柑20号」と命名しました。

https://www.pref.ehime.jp/h35500/kankitsu/documents/04_19.pdf

1924年ってね、銀河鉄道の夜が書かれ始めた頃よ(どうでもいいプチ情報)。

引用文の中にある「優良系統探索」というのは、例えば宮川早生という品種の中にも良い系統と悪い系統があるということで、その中からより強くて良い系統の木から穂木をとり、より安定した良い品種を作り上げてゆくことを指している(のだと思う)。紅まどんなや甘平のような新品種を作るという技術とはまた違った技術。

良い系統というのは、毎年安定して良質な果実ができる木を指す。逆に悪い品種というのは、1年ごとのばらつきが強かったり(隔年結果が激しい)、病気に弱かったり、果実の形や味などが良くないものを指す。同じ品種だからといって、必ずしも同じものが同じようにできるわけではないのだ。

だからうちのような小さな農家でも、良い系統の木から穂木を取って接木して良い系統を増やしていく、ということをしている。

ということは、南柑20号の誕生秘話の「優良系統探索」ってちょっと違うのか? まあいい、誰かに聞こう。

ともかく、植えっぱなしでたまたまできたものをちぎって売ってるわけではないということだ(時々こうやって釘を刺すのは、いまだに「夏は何の仕事をしてるんですか?」と聞かれるからです。繁忙期だけみかん畑にいるのではなく、一年中ずーっとみかん畑でみかんの仕事してるのよ)。

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で、今日はというと、、なんとか雨が降る21日までに次の早生(ラスト)までが見えた感じ。

しかしな、ここで息切れしていたら、次の紅まどんなや伊予柑が始まった頃にはどうなっていることやら。もっとしっかり体力を回復する方法を考えよう。

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これは日南に20号を接木して、もう結構年数が経つ木。圧巻だ。

2021/11/16と17のみかん日記

3品種の収穫を順次行っているので、毎日が駆け足ですぎてゆく。こんばんは。

まず16日。夫氏は出荷日のリフトの担当だったので午前中は集荷場でお仕事。父は歯医者。なので母と二人でせとかのサンテをかけていた。

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母と二人での仕事はしゃべっていることが多い。この日の母は、議員さんが1日しか在籍していないのに100万円もらっていたことに憤慨していた。分かるけども、多分他の議員さん達は貰ったことすら分かってなかったと思うよ。まぁ、政治のことは言い出したらキリがないような気がする。でも言わずにいるとずっとこのままだしな。だから言ってくれた議員さんありがとう。

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午後から父がトップギア。走り出したら止まらない状態で久能温州の畑にGOです。へとへとやっちゅうねん、私も夫氏も。

この畑、今年が初収穫の場所。といってもご覧の通り、木はとても大きい。そう、去年までは持ち主が作っていた場所なのだ。栽培している品種の都合上、ここの畑まで手が回らないということでうちが作ることにした場所なのだ(ちなみにこの場所は15日から収穫している)。

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久能温州は30年前の台風19号の塩害により、島中のみかんの木が枯れてしまった頃に増やした品種だと聞いている。樹勢が強く、苗から始めても早く実が収穫できたのだそうだ。みかん農家は、みかんの木がなければ収入が得られない。苗を植えても収穫まで時間がかかっては、生活のための借金が増えてお金にならない。だから久能温州が推奨されたそうだ。

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しかしこの品種、ご覧のように極小から特大までできる。多くの人が「手のひらにちょこんと乗る程度のサイズのみかん」ばかりを見ているだろうが、実際はサイズがそろったみかんを作るには技術が必要だ。もちろんこの畑のみかんもそれ相応の対応をしたのだが、今年の収穫が終われば半分は切り捨ててしまう予定なので、あまり手間と時間をかけていないから、今年はよりどりみどりのサイズ感となってしまった。

ちなみに、この極小サイズと特大サイズ、味については個体差がある。小さいから美味しいということはない。というか、私は「小さいから美味しい」は全く信じていない。小さくてもまずいものはあるし、大きくても美味しいものもある。どんな土壌の、どんな場所にある、どんな木の、どんな状態で実っているみかんなのかが大事だ。

でもスーパーや産直で購入する場合、そんな情報はわからない。だから私なら「色づきが良く、手頃で小ぶりなサイズで、ヘタが枯れていないもの(新鮮なもの)」を選ぶ。産直ならば、できるだけ綺麗なみかんを出荷している人のみかんを買う。理由は、綺麗な作物を出す農家の畑は、きちんと手入れが行き届いているということだから。農家が教えるプチ情報でした(めちゃくちゃわかりにくいところに書くなんて性格悪い私)。

ちなみに、先日行ったカラマンダリンの枝つり。地面にみかんが当たってしまうとこうなる。

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商品価値なし。それが、枝を吊り上げるだけで商品価値が保てるんだからいいよね。手間をかける人員と、その時間があるからできることだけど。

さ、今日(17日)。早朝からみかんの収穫からスタート。もちろん猪罠の見回りにもいっている。安定の坊主。でも畑には入られていないから勝負は価値だ。

今日の収穫も久能温州の畑から。今日はここを午前中で終わらせるつもりで行って、ちゃんと終わった。万々歳であるが、間髪入れずに今度は別の畑。

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圧巻の豊作である。これは南柑20号という品種。こちらも久能温州と同じく少し貯蔵してから食べる中生みかんになる。

去年の20号は雨量が例年通りで秋の気温が高かったせいか浮皮続出だったが、今年は真夏に長雨で、秋は気温が高かったものの乾燥したから浮皮なし。ピッチピチの最高の出来となっている。糖度も今の時点で12度。品質としては「特選品」クラスに仕上がっている。

しかしこの量だ。圧巻も圧巻。誰が収穫するんだこれ。我々だよもちろん。

というわけで、午後からはひたすらに20号の収穫。大小さまざまだった久能と違って、サイズも最も市場価値の高いMS〜S程度のものが多いから、とってもとっても終わらない。嬉しい悲鳴だ。そして明日もここを収穫する。

収穫は農家にとって一年分の頑張りの結果を目にするところ。だから嬉しいものだけども、父は特に嬉しいらしく、とにかく早朝から暗くなるまでぶっ通しで仕事をする。週末には雨も降るから急いでいるのはわかる。でも、でもだな、娘の体はヨレヨレだよ。ということで夜はしっかりみっちりストレッチをしておいた。これで少しはぐっすり眠れるはずだ。明日のためにもゆっくり寝よう。

政治の話はあまりしたくないのだけど、1つだけ言いたいことがある。

政治家の皆さん、できれば今あるお金でなんとかしようとしてくれませんかね? お金を刷ったらいいじゃないっていうのは、ツケを子供たちに回せばいいじゃないってことだから、全然賛成できないです。

SDGsの話題をよく見る。未来の私たちが住む世界を、もっと優しく、もっと住みやすく、今の問題を先送りせずにみんなで取り組もうという目標を指している。政治もぜひこの観点で行ってほしい。

収穫三昧

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いつも通り椎茸の観察日記から、もとい猪罠の見回りから本日もスタート。友人が帰って平常運転。

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今日の収穫は久能温州みかん。これは早生の次、中生(なかて)と呼ばれる12月から出荷が始まる。早生みかんは美味しくなったら収穫するけど、中生みかんはちょっと貯蔵した方が美味しい。だから11月に収穫するけど12月から始まる品種。

正直にいうと、私はみかん農家2年目に突入するまで、早生と中生の違いをあまり明確に分かっていなかった。味が違うなっていうのは分かっていたけど、傷みやすさが全然違うのだ。ま、痛みやすかったら貯蔵できんからね。

収穫したみかんは写真のカゴに入れる。大体10キロ弱入る。これにせっせとみかんを収穫し、私はちょっと持ち出しやすいところに置くか、あるいはそのまま放置する。すると夫氏なり父なりがやってきて回収、キャリー(コンテナ)に入れてものラックで畑の外に運ぶ。この係(荷役と呼ぶ)が一番大変なのである。

今日の収穫量は99キャリー。1キャリーが大体18キロぐらいだから1800キロか。うむ、荷役すごい。

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そんなこんなで持ち帰ったみかんは、色付きの良いものとそうでないものに分ける。傷やらサイズやらで分けるのはしばらく貯蔵してから。まずは色分けが先だ。そして色分けで使うのが「選果台」。久しぶりに出した。

この台にはキャリー2、3杯分ぐらいのみかんが入るので、どさーっと入れて青いのを抜き出しつつ、青と赤に分けてゆく。ここまでして、ひとまずが終了というわけだ。

私はあまり重いものを持ったりはしないのだけど、しっかり足腰がへとへとになる。でも、この収穫のために一年間頑張ったんだからなあ。でもでも、収穫しただけじゃお金にならないから、出荷なり販売なりしなきゃならんのだなあ。ああ、農業ってすごい。

一泊二日で親友が遊びに来ていた。というのは先に書いたけれど、久しぶりに友人に会って思ったことがある。それをぼちぼち書いていこう。

・マスクをしてると人の見分けがつかない

→当然だが、1年ぶりだから髪型なども分かっておらず、さらにマスクで顔がほぼわからず、そして私の目も記憶もポンコツになってきているので見分けがつかない。見知らぬ人2人に手を振っていた私。

・歳をとるのは楽しいということ

→彼女と出会ったのは20代後半で、ちょうど人生の波乱のど真ん中みたいな時だった。そして目の前のこと全てにがむしゃらだった30代はお互いが独身で、一緒によく旅に行った。そんな時間を共に過ごしたもの同士、40代は一つ一つに集中できるから、人生が楽に楽しくなったねと言い合った。どういうことかというと、彼女の場合なら「職場では教える立場、でもプライベートジムに行くと教わる立場。そういう立場の違いとかその瞬間の役割の違いを、楽しんで集中できるようになったから、40代はいいなあって思う」ということだそうだ。こう聞いて、私はこう理解した。「一つ一つに余裕を持って、求められている役割とか、今何をしているのかっていうことを、理解して取り組めるようになったから、ほんと40代っていいよね」そうなのだ。いちいち張り合ったり勝とうとしたりしないから、すごく楽なのだ。楽だから楽しいのだ。ビバ40代。

・何歳からでもスタートできる

→彼女はちょっと珍しいお嬢様タイプで、アニメは見ない人だった。ジブリもディズニーも見ない。だけどなぜか鬼滅だけは見ていたのだ。驚いた。あれだけ流行っても絶対アニメは見なかったのに。まさか40代半ばになって「炭治郎がね」なんて聞くとは思わなかった。なお、鬼滅の後継と言われている呪術廻戦も見ているそうだ。人生何があるかわからない。加えて彼女は筋トレをしているそう。ダンベル片方8キロとか言っていた。マジかすげえ。そしてあの名言も言った。「筋肉は裏切らない」

 

生きてるといろんなことがある。いいこともあれば悪いこともある、とかいうけれど、実際そんなことさえどうでもいいぐらい、いろんなことがある。私ね、思うんだ。多分死ぬ直前に「人生でいいことと悪いことと、どっちが多かったかな」なんて絶対考えないだろうなって。どんなに正確にカウントできる人がいても、閻魔様が教えてくれるのだとしても、そんなことはどうでもいいって思うだろう。

大事なのは、その数とか大きさではなく、どんな出来事も然るべき時にちゃんと昇華することなんじゃないかな。もちろん、頑張ったところで自分の意思では昇華できないこと(時間がかかること)だってあるだろう。それでもいい。過剰に執着して、あえて忘れないように毎日思い出してとらわれたり、後悔や懺悔の日々を送らなければいいんじゃないかな。だって、どうせいろんなことがあるんだから。恨みつらみまみれであっても、能天気に笑っていたとしても、いろんなことはやってくるから。

楽しく、前を向うという気持ちだけを大事にできたら上出来なんじゃないかなって思う。