品川心中
- 作者: 小野塚カホリ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2011/02/08
- メディア: コミック
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落語っていうのは、語り部によって様々に変わるものだと思うんです。だから同じ話でも語り部が違うと「ちょっと違うな」と思ったりするんです。小野塚さんの感性ならば間違いないと思って。小野塚さんは初期から好きですわ。繊細さがたまんないのよ。
*品川心中
*子別れ
*真景累ヶ淵
*紺屋高尾
遊郭や女郎も出てくるけれど、どの人物も魅力的だ。この人が題材にするのは悲恋に終わるものが多いと思うのだけど、この1冊は幸せなほうだと思う。真景累ヶ淵は怖い話だけど。女の業ってこんなだよね、ホント。呪うといったら徹底的に呪うものよ。そうじゃなきゃ、呪うなんて言わないよ。しかし女心と秋の空と言うように、心変わりするのも人の業。難しいねぇ。
初めて遊郭の存在を知ったのは吉原炎上という映画を見てだった。あの映画、今でも好きだな。どの女郎にも自分はなれるんだもの。恐ろしいけれど、その恐ろしさも含めて好きなんだよ。自分の中の混沌にOKを出してくれたのが、女郎という存在だったんだよ。
しかし、小野塚さんは本当に表現が上手いなぁ。これ落語が元だよ。落語は落語で「その人の語る落語」は誰にも真似できない「芸」の一つ。小野塚さんは落語まで身につけてしまったのだな。