生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家二年目~

運命の猫のことを少し(続きは別記事)

 またもやすごく間が空きました。忙しかったんです。主に猫のことで。

 4月、この島に引っ越してきた日に、部屋に黒猫が入っていたことがありました。ガサガサ音がするから恐る恐る行ったら猫だったんですよね。たぶんその猫が、今回のお話の主役です。

 私が住んでいる住宅の近くに、住み着いている野良猫がいました。真っ黒の小さくて痩せた猫と、さらに小さな黒とグレーのブチの2匹。ご近所さん曰く、最初は4匹だった子猫が今は2匹になっているとのこと。

 私は一応愛護活動もしていたわけだから、餌をやるのはダメだよなと思っていたけど、塩鯖が真っ黒の猫にジジと名付け、訴えに負けて餌をやるようになりました。もちろん、私も。子連れ猫ちゃんなんて可愛いからね。いや本当に可愛かった。

 ジジはけっこう人慣れしていたけれど、子猫ちゃん2匹は全然。だけどそれでも良かった。元気ならばそれで良かった。ガリガリのジジが少しでもハゲとか傷とかなくなればいいなと思っていたから。

 そうこうしているうちに夏になり、グレーのブチが車にひかれて死んでしまった。ジジと黒のブチがグレーのブチのそばをうろうろとしていた。たまたま私たちが帰宅した時はねられた直後だったらしく、私たちと同じく猫のために車を停めてくれた人がいた。その人がグレーのブチの亡骸を連れて帰って埋葬してくれた。

 外の猫はこんな風に死んじゃうことがあるんだと思ったら、なんとかこの2匹を助けたいなと思うようになった。野良猫の寿命が短すぎる原因は、病気や怪我もあるけれど、轢死が多いからなんだよ。

 避妊と去勢をしてうちで飼えないかなと思っていたら、ジジがまた妊娠した。妊娠してしまったものはしょうがないと思っていたら、ジジにべったりだった黒のブチが、ジジ離れしなきゃいけなくなったらしく、下手くそな鳴き声でうちにくるようになった。それまで2匹一緒に来てたけど、そのころだけは別々に来るようになった。

 小さなころから見ていた子だから、とても可愛かった。呼ぶようになり、撫でさせてくれるようになり、夜中でも起こすようになり。おかげで多少寝不足だったころもあったけど、寂しいものは寂しいものな。

 そうこうしているうちに、ジジが赤ちゃんを産んだ。どこに産んだのか分からなかったけれど、パンパンだったお腹がスレンダーになって現れた。ああ、ジジの子が見たいな。でも本当に避妊しなきゃジジが消耗して死んじゃうよ。ブッチも男の子だから去勢しないとな。そう思って、いつ手術に連れて行こうか考えていた。そのころには2匹はほぼうちに住み着いているような状態だった。

 何度かジジの後をつけて子猫を見てやろうとしたのだけど、毎回たどり着けずに終わっていた。塩鯖は「ジジの子が見たいなあ」とずっと言っていた。

 ジジが子供を産んでしばらくしたある日、ジジが突然なにかをくわえて部屋に入ってきた。たまに戦利品を持ってくるから何事かと身構えたら、子猫だった。塩鯖は死んだ子猫かと思ったそうだけど、私はモグラか何かに見えた。それぐらい小さな子猫が3匹。

 子猫に関してはあんなに警戒していたジジが、うちに子猫を連れてきたってことは、うちが安全だと信頼してくれてのことだろうと思った。いや、野良猫にはよくある話なのかもしれない。だとしても私はすごく感動した。だって、そんなに近くもない場所からうちまで、ずっとくわえて歩いてきてくれたんだよ。

 これはもう、なんとかしないといけないと思って、まず去勢手術の予約を入れた。ブッチはなんだかんだ言ってジジにべったりなので、ジジなしでは生きられないだろう、ならばどちらも避妊と去勢をしないと増える一方になってしまう、と思ったから。ジジの避妊は乳離れが終わってからにしないと、育児できないからあとにすることにしてね。

 で、あとは引っ越し先の私の実家に相談したらいいかなと、その日のうちに猫を飼いたいと相談に行った。そしたら、見事なほどの門前払いだった。もう、まったく、全然、一切、聞く耳持たずだった。まったく、感動するほど驚く。私はこのことで人が変わったと思う(それは後で別記事に書く)。

 結局、5匹の猫は、グレーのブチの亡骸を連れて帰ってくれた人に託すことになった。ブッチは一度去勢手術に連れて行ったが、小さすぎるとのことで帰された。一晩の絶食と初めてのキャリーでとても怖い思いをさせたのに、翌日にはちゃんと帰ってきてくれた、ブッチいい子。

 そして昨日(10/19)、5匹を託した。託す直前まで、ジジは塩鯖の膝でのどを鳴らしていて、ブッチは定位置で眠りこけていた。キャリーとゲージを持った知らない人が入ってきても、私たちを信頼しているからか全然怯えることもなかった。でも、キャリーとゲージに入れられたときはかなり怯えていたけれど。

 私たちは何度も何度も、ごめんね、ありがとうございます、よろしくお願いします、ごめんね、ごめんね、怖い思いをさせてと言った。そして、二人とも泣きつかれるほど泣いて寝た。

 朝、ジジとブッチがいたころはうるさいほどだった朝。今日はとても静かだった。夜中も起こされることがなかった。部屋に何か持ち込まれてるかもとか、チビちゃんが抜け出して大冒険してるかなとか、そんな心配もまったくない。だけど、とてつもなく寂しい。寂しい。

 ジジとブッチにはたくさん笑わせてもらって、ほっこりさせてもらって、疲れた気持ちを癒してもらった。たった半年だったけど、出会えて良かった。

 どうかあの子たちが、夏の暑さや、冬の寒さにさらされて、辛い思いをしませんように。屋根があって、ご飯があるところで、みんなで幸せに暮らせますように。長生きできますように。今の私たちができることは、それだけしかない。とても不甲斐ない気持ちだけど、できることは全部全部、させてもらったよ。私たちの前に現れてくれてありがとう。運命の猫になってくれてありがとう。どうか、元気で。