生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家4年目~

大河ドラマ記録 太平記43-45

滞ってましたね、見てなかったんですよ。

暑いから涼しくなるもの見ようと思って「北野誠のお前ら行くな」を見てたんですよ。これ、なかなか不謹慎なようで不謹慎でなくて面白いです。ちゃんと怖いところは怖いし。

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個人的には髪が伸びる人形のひなちゃんをカジュアルに持って心霊スポットに行くのが楽しかったですね。和歌山の人形供養の神社の宮司さんが「お人形さんは見てもらえること、遊んでもらえることが嬉しいですから」と言ってたから、ひなちゃんもきっと楽しかっただろうなと思います。

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私は幽霊も霊も信じますよ。信じますけどそれ自体はそれほど怖くないです。一番怖いなあ嫌だなあと思うのは生霊です。人間が一番怖いよ。

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さて気を取り直して太平記。43話はね、後醍醐天皇がいなくなってからも南北朝との戦は絶えなかったので、尊氏は実権を握っていた北畠さんと密談して和議を結ぼうとしたんだけど破談したよというのがメイン。どうしても公家一統の政じゃないといかんらしい。そういうこだわりがだな、戦だらけにしてんの分かんねえかな。

そんなこんなで戦だらけなわけで、武家側では高師直らが大活躍。あんなにお堅かった師直が欲望のままにやりたい放題。いや、師直だけじゃなくて多くの武家がそうだったんだろうと思う。なぜなら、政の実験は尊氏ではなく直義がやってたわけで、戦で武功をあげてもろくに恩賞がないわけだ。それに、そもそも尊氏が侍大将だったらついていくって思ってた人たちだからね。とにかく気に入らんのよ、尊氏じゃないのも、さらに実弟の不公平さも。

というわけで、どうする尊氏。

44話は師直vs直義。師直は尊氏と組んで尊氏邸を5千の軍で取り囲ませ、直義は幕府から降りろと説得。でもすごい嫌がる直義。「自分は戦が下手だから政を頑張った。それなのに政さえ取り上げられたら! どうしても降ろしたいなら殺せ!」と。

分からなくもないですよ。コンプレックスなんて誰でもあります。でもお兄ちゃんはカリスマ性もあって戦も上手で頭も良くて信頼も厚い。それに比べて自分はどうだ、自分の存在意義とは何ぞや、そんな風に思っちゃいますよね。だからきっと誰よりも真面目に政に向き合って、欲望のままに欲しいものを手にする武家たちを見下したんだと思う。でもな、政にしがみつくのも直義の欲望なんだよ。それに気づけなかったから苦しかっただろうに。

結局佐々木判官の手助けもあって直義は降伏、尊氏の息子の義詮を将軍に据えることになった。そして直義の発した人事異動は帳消しになって前のメンバーで幕府を運営しようとしてたところ、直義の養子の直冬(尊氏の子)が反発、という流れ。尊氏休めないね。

もうここまで来たらラストスパート。尊氏が心休まることがなかったことが伺える。尊氏はとても優秀な人で人格者であったのかもしれないが、それでも世を平定するということは難しいことなんだと改めて思う。そりゃそうだ、みんな思うことが違うんだし、やりたいことも違うんだしね。尊氏がどれだけ戦のない美しい世をと願っても、息子でさえも「戦って武勲をあげます!」とか言っちゃうんだもん。いや尊氏は戦したくないって言ってるやん、聞いてんのかいってなるよね。でもな、そうやって父親やそのほかのかっこいい武将たちが成り上がっていったのを見ているんだから仕方ない気がする。それ以外の輝かしい道を知らないんだから。

そう思うと、徳川家康は本当にすごいなと思う。戦をなくしちゃったんだZE! もちろん、家康だけがポコッと生まれて成し得たわけではなく、その前に室町初期よりももっと荒れ果てた世があって、信長や秀吉や、その前に武田今川北条などなど名だたる武将たちが平定のための紆余曲折を踏んできたからこそだとは思うのだけど。

それにしても、歴史は面白いよなあ。すべて生きてた人たちの行動が創り出したものなんだもんな。それが欲望であれ大義であれ、誰かが望んだ未来が実現してきたのが歴史なんだと思うと、ベタながら今を大事に生きようって気になるな。