久しぶりに頭を使ったよ
はー! あっという間に夏日の季節がやってきた。毎日コツコツ仕事しております。5月の連休が明ければ、一か月が過ぎることになる。早いなあ、びっくりするほど早いなあ。
私たちはというと、毎日プロ農家(両親)にひっついていろいろ教わっている。といっても、父は手取り足取りタイプではないので説明されて「さあ、頑張れ」という感じで、皆さんが想像する以上に手探り状態だ。
だからアグリノートなるアプリを入れて、毎日の作業工程とか畑の位置と名前(通称だったり土地の名だったり、実に様々な呼び方があるのでまだ全然覚えられない)を管理しようとしている。まだ志半ばである。だいたい有料なんだよなあ……。できれば、3か月ぐらいの無料期間で試させてほしいんだけどなあ。
それはさておき、毎日肉体労働をして汗をかいていると、まったく思考できなくなってくる。というか、思考する暇もなく一日が終わってしまう。改めて、今までの私は暇だったから頭ばっかり使っていたんだろうなあと思う(それだけじゃなくて、一応IT業という頭を使う仕事を選んだせいでもあるけれど)。
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先日、妹夫婦の実家にあたるご夫婦と、うちの両親と私たちでお食事会をした。コロナのことがあるからと家で焼肉。うちの両親よりも少し年上のお二人だけども、19時スタートで23時ごろまでいろんな話をしてもらった。この島にもっと人がいたころの話、みかんの値段がびっくりするほど良かったころの話、同じく全くお金にならなかった頃の話などなど。
なんつーか、全体的にスケールが違う。そう感じるのは、私がかなりのマクロ視野だからかもしれないし、私たち年代はそれぐらい小さなスケールでしか生きていないのかもしれない。今の70歳前後は数が多かった時代だからか、なんかスケールがでかい。
たぶんいくらかの割合の人たちが誤解しているのではないか、と思われることがある。それは、田舎の人たちは慎ましやかにお金を使わない暮らしをしているという誤解。そんなわけはない。
漁業をするにも漁業券があり、畑を含む土地にはすべて所有者がいる。船を作るにしても持つにしても、すべてに権利がいる。その権利がとんでもない値段であることが多い。ほら、野菜農家とかが持ってるトラクターの値段が500万ぐらいするの当たり前、みたいな感じ。
その理由は、権利の持ち主たちがケチだからではない。独り占めしたいから、でもない。秩序のためでもあるし、自然のためでもある。
人が営み暮らす場所には、それ相応のスケールのモノの見方があり、考え方があり、経済の動きがある。
これは、私が会社員として働いていたころは想像ができなかったことだ。自分の暮らしがコンパクトでスケールも小さく、回す経済も小さなものだったから、会社として引き受ける仕事の額がどれだけ大きくてもピンとこなかったし、実感もなかった。でも、そもそも人が営み暮らすということは、相当なスケールで周りに影響を及ぼすことだったんだろうなと、今は少しだけ実感が持てるようになった。
だからこそ、連日のニュースでコロナで鬱になりかけている人の「今後の見通しが立たないのが辛い」という声を聴いていると、本当に同じ日本なのかなと思う。
いや、分かっている。同じ日本なんだ。だけとごく一部の都会の中で巡っていた「経済」が止まっただけで、日本は全土が止まってしまったかのようになるのが現実だ。
日本の国土の多くは「田舎」だと聞いた。まぁそうだろうと思う。しかし人口で見ると、おそらく7割弱ぐらい(言い過ぎか?6割強くらいか?)の人が都市部に住んでいるのではないかと思う。となると、残りの人がこの広い日本に分散して住んでいることになる。そうなると、このコロナで流行った「3密」なんて、田舎暮らしの人間にとってはギャグでしかない。
都市部に集まりすぎたんだと思う。だから影響度にも唖然とするほどの差が生まれた。
そもそも、経済ってお金によって回るものを指すんだったっけ? だとしたら、経済を別の形で回すことも考えねばならないだろうね。お金があればなんとかなる場所ほど、今はどうしようもないんだから。
と言いましても、田舎暮らしでもお金はいるからね。よく「田舎だと物がもらえるからお金がいらなくていいよね」的なベースが見え隠れする人がいるけど、某番組のゼロ円食堂みたいに「捨てるからあげる」ではないんだよ。人間関係があるからもらえるんだよ。捨てるものだからって、いけ好かない奴や全く知らない奴にまで「差し上げに行く」ことはないからね。
ここにいると、私はとても自然でいられる気がする。今日はこれから塩鯖と共に釣りに行くよ。私は釣りが苦手なのでソロストーブで焚火する。動画とるね。
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私が開設したYouTubeチャンネルです。メモ代わりに投稿した動画を貼っておく。