今話題のニュース、農林水産省とBEAMSのコラボについて。
news.yahoo.co.jp
現場の方々から白い反応が多くみられる。
農水省さんはワークマンの店舗に行って勉強した方が良くないです?
— クロス@Iターンのリーマン農家 (@Kurosu_iturn) 2022年1月28日
ワークマンはもう作業着で使えるスーツジャケットを作っていますよ。
どんなオーダーをしたのかわかりませんが、ユーザー目線から乖離し過ぎていて、beamsブランドとデザイナーさんが気の毒になります。https://t.co/sL2URpxaA1
BEAMSさん。農業を知ってもらうためには農家さんが着たくなるようなデザインとか作業性を考えた形とかにしたほうがいいと思う。農家さんの共感得た方がもっと広がると思うんだけどなぁ。価格帯も。おそらくコレを買う人は農家じゃない。ふんわり農業をかっこいいと思っていてファッションが好きな人。 pic.twitter.com/foDqRbeHpN
— ミナトン農園陽だまりの芽|トロッと純白さといも (@hidamarinome) 2022年1月28日
これBEAMSの運転資金確保で農水の事業とりにいったパターンかな…
— うちの子@農業マンガ11万viewありがとうございます♪ (@uchinoko_vege) 2022年1月29日
実際事業成果とかは会計検査に引っかからなければいいわけだし、量産は事業経費からできるわけないから、あくまで作るまで
おそらく販売も一定期間置いて終了じゃないかな https://t.co/DspnqCLG6s
農水とビームスコラボを生産者のみんなが叩いているので、「いや、少しはいい面も見た方がいいよ」とサイトを見に行った。
— 黒木榮一@ 農作業安全 (@agristation) 2022年1月28日
コメントを読んだら、そんな気分では無くなった。何様だ、結局ビームスのことしか考えてないじゃん。
服に農水タグが縫い付けてあるのもダサい!
見たら怒り爆発だった。 pic.twitter.com/v7L462OkzF
同じようなことを、農林水産省のYouTubeチャンネルが開設された折のインタビューや動画を見ても思った。
一言でいえば「農業のこと考えてないじゃん」だ。
BEAMSがBEAMSのためにするならどうぞ、農林水産省の職員が農林水産省のためにするならどうぞなのだ。だけどどちらも「未来の農業のため」という大義を掲げる。だから、今現場にいる人からすれば「そんな的外れな」と思うのだ。
これは別のところでも思った。具体的にはスピな世界でのビジネスの話になった時だ(全く別件だが、なんでも安直にビジネスに結び付けるのは本当にいただけないね。もともとアイデアの才覚があるならちょっと見れば革新的なスタイルを思いつくのかもしれないけど、凡人が数日うんうん唸って考えた程度のビジネススタイルなんて素人の浅知恵を出ないんだ。だからプロがいるんだ。今は簡単にプロを名乗れるから詐欺まがいのコンサルもたくさんあるから本当に気を付けないといけない。しかもそれが無知から来る善意の塊の玉石混合だから手に負えないなと思う。相手が善意の塊だからって悪いと思って受け取ると、あとでえらい目に遭うこともある。どんなに善意しかなくても自分に不要だったらNOを言えないと、関わった人がみんな不幸になるなって実感している)。
主語の大きな大義を掲げるならば、本当にあらゆる人が傷つかない取り組みを考えなければならない。それが今の挑戦だと思う。
とはいえ、誰も傷つけない取り組みなんてないのだと思う。いろんな人がいるのが多様性の世界だ。誰しもにちょっとずつ優しい=誰しもがちょっとずつ不愉快な世界だ。でもだからといって「誰かが傷つくけどこんなメリットもあるんだからいいじゃん」ではいけない。なぜなら、そんなスタンスでぐいぐい進んだのが産業革命であり、近代の戦争なのだから。何度も同じ過ちを繰り返しては人類は成長しない。これじゃいつまでたっても宇宙連邦に入れてもらえない。
だから少なくない農家の人たちは、いろんな挑戦をしていたり、少なからずアイデアを出そうと考えている。決して日々の仕事も楽ではないし、横になったらもう動けないーってぐらいハードさの中で、頭の中はそういうことを考えているのだ。
日本の農業という大きな単位で結果や成果を出していないように見えるかもしれない。でも、ひとつひとつの農家がそれぞれに考え、挑戦し、成功なり失敗なりの成果を蓄積している。それはあまりに小さくて見えないのかもしれない。だけど確実に意識は変わり始めていると思うし、動きも出てきている。大きな単位での結果や成果が出ていないからといって(自分たちの目に見える形になっていないからといって)、未着手の分野だと思わないでほしい。
もちろん、今はそんな小さな単位での活動が主かもしれないけれど、いずれ大きな単位での動きが必要になってくるときもあるだろう。それぐらいに日本の農業の未来は明るくない。そんなとき、じゃあどうしたらいいんだろうかって話だけど、なによりもまず現場の話を聞くってことだと思う。どこの現場か? 身近な産地の現場だろう。その土地の食や産業を支えている現場に。
農林水産省ともなれば、日本全国に拠点はあるだろう。だとしても、多くの農家から話を聞くなんて簡単な話ではないし、簡単に済ませられる問題でもないのは理解する。だって長い年月を費やして今の形に到達したのだから、これを変えるには小手先の意識転換だけでは到底無理だろうと思う(バズったから、注目を浴びているから、といった一過性の人気だけでは根本的な改善は困難だと思う、という意味)。
でも今はSNSが新たなシーンを迎えて間もない時代。生活にSNSが浸透してきた今だからこそできるやり方もあると思う。SNSという仮想空間から現実へ、アクションの波を広げることもできるんじゃないかと思う。
究極を言えば、自給自足ができる農業従事者にとっては、日本産の野菜がスーパーに並ばなくなるかもしれないなんてことは問題ではないのだ。だって作れるんだから。困るのは消費者なのだ。だから消費者こそ危機感を持ってもいいとは思うんだけどね。もちろん、農家だって消費者だからこそ危機感持ってるんだけどね。それがあんまり伝わらないなと思うから、もっといろんな言葉で発信は続けていかないとなと思う。
あと、自分ちの仕事で疲れ果てて一か月ぐらい考えてもなかった、ってことがないようにしないとなって。うーん、本当に横になると寝ちゃうんだよねえ。今はやりのメタバースもやりはじめたものの、やっぱり力尽きて寝ちゃってるので、そもそもの仕事配分を考えるべきか、自分の体力をアップさせるべきか、ずーっと悩みながら走り続けています。