生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家二年目~

西の香収穫完了と「農家さんを助けたい」問題

こんばんは、今日はサクッと書いて終わりたい(眠いから)。

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今日も西の香の収穫。一応抜きもぎ(色付きの良いものだけを収穫する方法)だから、色を見てもいでいるのだけども、朝日効果で赤く見える。でもカゴに入れたら「ぬおおお、青めだった!!」というみかん農家あるある。ちょっと青いね。でもこれ、貯蔵してたら青みが抜けて赤くなるから(そして酸も抜けて食べやすくなる)。

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先日の肥料まきが地味に堪えているので、コーヒーブレイクはキットカット付き。しかもピスタチオ。これめちゃくちゃ美味しかった。そしてこれをツイートしたら公式様からリプいただいた。なんてまめな公式様だろうか(マジで美味いです、おすすめ)。

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で、いきなりホラーみたいな配色の腐敗果実。腐敗の原因は、鳥に突かれたか裂果したか。

裂果は果肉の肥大に皮の成長がついていけなかった場合に起こる。今年は秋に干ばつがあって、その後雨が降ったので果肉の肥大がぐんと進んでしまったよう。だからこういう果実がとてもたくさんあった。もちろん裂果してるということで相当摘み落としたんだけどね。よく見たらこれ鳥が突いてるね。

なんでこんなホラー配色を出してきたかというと、昨日ラジオでとんでもない話を聞いたからだ。

順を追って話そう。まず聞こえてきたのは「規格外のみかんを販売することで地域貢献になるしSDGsの取り組みにもなる」という話。ここまでは聞き飽きるほど聞いた話。個人的に思うことはあるが、まぁそういう考えもあるだろうねと思って聞いていた。

その後、あんまりよく聞こえなかったんだけども、この事業を始めたきっかけが耳を疑うような理由だったので帰宅して調べたところ、ジャロに訴えてもいいかなってレベルの嘘、大袈裟、紛らわしいのオンパレードだったのだ。

個人的に、規格外品を販売するのは賛成ではない。でも誰かが販売することについてどうこういうつもりはない。

だけどね、愛媛県で生産されている柑橘のうち、製品になるのは2割〜3割とか、それ以外は格安で販売されるか捨てられるとか、一応柑橘農家をやってる身としてはちょっと聞き捨てならないのだ。

というのも、私は柑橘農家の端くれとして関わって、農協さんをはじめとする関わってくださっている方々のおかげで、愛媛県の柑橘は評価されていると思っている。もちろんそこには生産者も含まれる。皆が一丸となって頑張っているのだ。

なぜだか分からんが、農協は生産物を買い叩いているとか、農家を苦しめている、農家は騙されているという誤った情報ほどある一定の層には響くようだ。いや、生ぬるいな。喜ぶようだと言ったほうがいいかもしれない。そのごく一部の「かわいそうストーリーが大好物」の人たちのために、現実が歪められるのは我慢できない。

今回の場合、主語が大きくなっただけなのかもしれないし、廃棄されるみかんを見てショックをうけてなんとかしなければと思ったのかもしれない(実際に廃棄するものはある)。でも、だからと言って己の大義のために他者を蔑ろにして良いわけがない。

で、ホラーみたいな配色の果実ね。

規格外品というのは、大きすぎる小さすぎる、表面に傷がある病気がついているものだけではない。腐敗につながる傷があるものも規格外品、こうなる可能性が高いものも含まれるのだ。そのリスクを伝えて規格外品を販売しているのだろうか。

今の住宅は暖かいから、腐敗につながる傷があれば数日で青カビが生える。青カビの前に腐敗が始まるので、悪くなった部分だけ切り落としてもきっと食べられない(腐敗臭が果実全体に回るのでとても食べられたものじゃない)。もちろん、一か八かで試してもいいだろう。でもそんな覚悟をしてでも規格外品でなければならないだろうか? むしろ安全で安心な正規品の方が良いのではないか? 

この取り組みの最後にも「農家さんを助けたい」とあったけれど、本当に農家を助けたいと思うのならば、規格外品を安く買うよりも、正規品を正規の値段で買っていただくことが一番の近道だ。

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で、今日の最後は不知火(デコポン)。これは春のお彼岸ごろに収穫予定。伊予柑の収穫が終わったら袋かけをする予定。しっかりデコってて可愛いね。