生きることは物語を作ること、をテーマに日々哲学するブログ

生きるとは自分の物語を創ること

日々のじだんだ ~見習いみかん農家一年目~

この間の帰省でのこと

 先週、2泊3日で帰省して、収穫の手伝いをしてきた。といってもメインは農協の方と新規就農についての助成金のお話をすることだったんだけど、少々急ぎの収穫があったのでそちらに本腰を入れることになった(全身筋肉痛になった)。

 今の日本の農業は問題だらけだ。高齢化、荒れて行く土地。農業が国の力だとしたら、今の日本は弱小と言わざるを得ない。しかしよくよく見ていくと意外と新規就農する若者もいるようだし、田舎に子ので引っ越す人もいるみたいだし、と実際の数字は良く分からないけど、でもやっぱり農業人口は減少傾向にあると感じている。

 だからJAも市町村も国も、助成金やらなんやらを出しているところが多い。けれど今は年々条件が厳しくなっているそうだ。そういう話を聞いてきた。

 話を聞いた結果、私たちは新規就農に関する助成金は受けないことにした。というのも、2つの条件のクリアが困難だからだ。

 ひとつは研修必須ということ。研修所は(今のところ)島外になる。ということは、通うなり住宅を借りるなりする必要がある。となると、助成金が家賃や交通費に化けるだけではないか? と思ったわけだ。もちろん、研修で身に着けられる知識もあるけれども、広く浅くを学ぶ研修となるそうだから、柑橘特化の私らにとってのメリットとは、と考えるとね。本当に船賃安くないから、マジで(往復2000円~3000円)。

 もうひとつは農協(JA)への加入。もちろん加入するつもりでいるが、簡単に新規参入者が「ウェーイ」と入れるものではないのだ。というのも、いかんせん古い地域で代々農業を営んできた人ばかりの土地だから、新規っていうのが半世紀(ともすれば一世紀)ぶりぐらいなんじゃないかな。だからぶっちゃけ「誰もルールわかんねえんだが、、」のところだけど、だからこそ簡単にやっちまうと後から揉める可能性が高いから、あえて揉める可能性を選ばなくてもいいんじゃないかっていうのが私たちの決断。

 よその地域の人は結構簡単に入れるところもあるようだから「えー!? そこそんなに閉鎖的なの? 今時新規でやろうなんていないんだから、貴重な新規の人たちは歓迎しなきゃダメなんじゃないの?」っていう声もあった。それも分かる。でも私はその地域でやってくわけだから、揉めない道を選びたい。

 という話を聞いていて、しみじみ「私大人になったんだなあ」と思った。というのもね、子供の頃ってこういう話聞かないから。よくJAに対するネガティブな意見を見かけるけれど、JAが相手にしている農家ってのは想像以上に面倒くさいものなのかもしれないな、と思った。土地だの代々だのいろいろあるからさ。大多数が「いいやんそれぐらい」と言っても、たった1人でも「アホか許さん」といったらNGなんだよ。権力がとか家柄がって話でもなくて、農業協同組合ってそういうことなんだよ。

 このように書くととても面倒くさいところのようにも感じるが、実際面倒くさいところはあるんだろうが、やることは「農業」であるからして、他人と共同作業はほぼほぼないわけで、おおむね家族経営で、おおむね人間関係のいざこざがない、マイペースな仕事だと思う。

 マイペースで思い出した。塩鯖のマイペース。超ハイペース。目の前でみかんを選別してゆくスピードが尋常じゃなくて、私は軽く乗り物酔いした。くらくらしてね、超気持ち悪かった。もちろん塩鯖にとってのマイペースであって、私に同じペースになれということはないから、私が慣れれば、慣れてマイペースを貫けるようになればいいだけなんだけどね。マジでホントかなわんわ。

 新規就農者には条件が合えば年間150万の支援を受けることができる。それも3年だか5年だか。すごいと思う。だけどその条件の中には、農業で自立してゆくための計画を提出したり、畑や経済状況を報告して審査されなければならない。けっこう細かくて厳しい。

 きっとこれまでに支援だけ受けて離農した人も少なくなかったんだろうと思う。離農の理由は人それぞれだろうけど、甘くはないということかなと思う。

 そう考えると会社員はある意味楽だと思う。毎月一定の収入が約束されているんだから。っていうのは何度も何度も想像した。けれど実際に自分たちがそっち側に行こうとして初めて実感としてわいてきた。毎月毎月、一定の収入が約束されている安心感ってありがたかったんだなって。

 私はまだ農業を生業にしていないので、農業に携わることのメリットは分かっていない。けれどもう後がないわけで、いやはやどうなるんだろうね。